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誌上個展

<日本航空史>
スバルは大空に(プラモ屋には不向きだった)

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

 昨今の空の話題はMRJで、まるでYS-11はもう空を飛んでいないかのような報道である。先日、西武池袋線に乗って稲荷山公園駅の横を通り過ぎるときに入間基地を覗いたら、5本くらい垂直尾翼が見えた。YS-11は健在である。
 さて、FA-200エアロスバルは、アクロバット飛行もできる操縦性・運動性をもった民間軽飛行機という多目的性に挑戦した機体だと、『日本航空機ガイド Vol.4 単発軽飛行機』(航空情報別冊、昭和50年)で鳥飼氏が解説している。写真のうち白い方は、登録番号からするとSTOL研究に使われた機体で、この研究機の完成当時のことは『航空情報』1968年7月号で紹介されている。




 FA-200エアロスバルの初飛行は1965年というから、50年も前のことだ。子供の頃、入間基地の航空祭に行くと展示してあることもあったが、人気はなかった。機体の前は空いていた。そしてエアロスバルが当然のように空を飛んでいたころ、私はこの飛行機に全然興味がなかった。 小さいし、キャビンが丸くてスバル360みたいで、カッコ良く見えなかったのだ。「ニッポン、飛行機全然ダメ」みたいでイヤだった、という方が当たっている。今頃になって、ちょっと申し訳なかったように思わないでもない。




 プラモデルは「国産機」の意気に応えるように各種あって、思い出すだけでも、ニチモ1/20、マルイ1/36(だったかな)、ニチモ1/48、バンダイ1/48、エーダイ(→アリイ)1/72とあった。興味ナシだったのは他の人もそうだったようで、プラモデル屋では売れない飛行機プラモの一つだったはずである。売れなかったプラモデルだから世の中に残り少ないのか、中古プラモ市場ではニチモ1/48などは高値がつく傾向にある。  ニチモはプラモデルから撤退し、マルイも今はこの分野にいない。バンダイはもしかしたら金型を持っているかもしれないが、この軽飛行機シリーズの他機種らしいものが海外ブランドにあったことが気になる。エーダイはアリイに金型が譲られているが、このところはサッパリ製造しない。店頭にないからエアロスバルが欲しいように思うけれども、じゃあ、高い値段で再販されたら今度も買わないんじゃないか、そうも思うのである。


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