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双発機

九六式陸上攻撃機11型 (エルエス LS 1/72)

by  田口博通 Hiromichi Taguchi
飛行機プラモデルの製作




 1974年5月号のモデルアートに銀色のLS96式陸上攻撃機11型とニチモ96式4号艦戦の工作ガイドが掲載されていました。いつかは作りたいと思いつつ、はや幾年か。今年の正月休みに遂に作り始めました。   気になっていたのは、この工作ガイドの記事の中で機体上面の銃座について 「11型も突出した銃座付きの機体があるので、21型用の銃座部品を付けた方がよい」と記述があったことです。
 で、他の資料などを見つつ、その工作ガイドの通りに作ってみることにしました。




  キットはアリイ版が現行で売られているので、買ってきました。以前のLS版の箱絵を中心に小さめに収めていますので、往時がしのばれます。
 96式陸上攻撃機は、長い主翼による長大な航続距離を生かして、陸上基地から発進して洋上の敵艦船を攻撃しようとする用兵思想でした。また、 外側を向いているエンジンナセルが特徴的です。
 さて、1941年12月10日ののマレー沖海戦で96式陸攻で雷撃に参加したのは、元山空の17機と美幌航空隊第701航空隊第4中隊の23型 8機の計25機です。元山空の雷撃でウエールズには2本命中しています。また、元山空の第3中隊の9機は500kg通常爆弾を1個搭載して同攻撃に参加していますので、箱絵は30㎏爆弾を4個投下していることから、マレー沖海戦とは違うシーンということが解ります。
アリイ版の箱絵


 このキットは1960年代の製品ですが、全面詳細なリベットが彫刻されています。また、よく知られているように、主脚が可動式になっています。20年くらい前でしたら、固定にして作ってしまったかもしれませんが、やはり 現代では オリジナルキットの設計のままで作りたい。そう思い、きちんと調整して主脚が可動するようにしてみました。
 
主脚は可動。

 塗装は、ガイアカラーのNo.9ブライトシルバーを筆塗し、仕上げは丁寧に筆を運んでヘアラインをつけてみましたが、あまり目立ちませんでした。
  そして、尾翼が赤の鹿屋航空隊機に。
魚雷を搭載したかったのです。
 LSのパイロットは小柄なので、エアフィックスの97艦攻からパイロットを3名スカウトしてきました。今度は、コクピットの中がギュウギュウに狭くなりました。
 実際は鹿屋航空隊の九六陸攻11型は中国本土で爆撃任務に従事しており、敵艦隊へ魚雷攻撃を実施したことはなく、内地で艦隊雷撃訓練をしたのみです。   
 鹿屋航空隊はマレー沖海戦時には既に一式陸攻に改編されており、26機が雷撃で参加。ウエールズに5本、レパルスに7本の91式魚雷改2を命中させています。やはり、九六陸攻よりは、速力も運動性も一式陸攻が勝っていました。

パイロットはエアフィックスからトレード



 銀塗装なので、スミイレをするわけにもいかず、あっというまに完成です。ストレートに作って正味3日。こんなに早く完成するのであれば、もっと早く作っておけばよかったのにと。  しかし、20年前であれば、作り方に迷ってしまい、完成しなかったかもしれません。




 これで、九六艦戦と並べる夢がかないました。
今では、ハセガワの九六陸攻もありますが、LSの九六も捨てがたい魅力があります。
 全面のリベットラインと相まって、下から仰ぎ見ると、双発爆撃機の大きさが感じ取れるのです。




 魚雷を搭載し、鹿屋から洋上に雷撃訓練に出撃して行った風景が頭に浮かびます。九六陸攻は長い翼で航続距離は長いものの、巡航速度は140km/H程度であったことから、実際は、のんびりとした飛行だったのでしょう。  しかし、本当に接敵してしまうと 生きて帰還するのは容易ではなかったのかもしれません。



 

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