イギリス空軍は1950年代から運用してきた「ホーカーハンター」の後継機としてハリアーの発展改良型のVTOL戦闘攻撃機P1154を計画していたが1964年の政権を取り戻した社会保障の拡充を目指す労働党政権によって他のプロジェクトと共に闇に葬り去られた。その替わり経費削減の名目でイギリス海軍が導入したアメリカ製のF-4ファントムⅡに英国製エンジンと装備を施したF-4K型の空軍仕様を導入せざる負えなくなってしまった。
導入に辺り空軍機には不要な海軍機装備を外して低高度で地上攻撃任務に必要な無線機材や20mmバルカンや偵察ポット用の取り付けラックや配線を追加した機体を「F-4M(正式名はファントムFGR.2)」として採用した。
|
|
1967年の初飛行から1969年まで118機生産され1969年に本国のカニングスビー基地での実戦配備を始め西ドイツに展開しているRAFG(在独英国空軍)へと配備されていった。1970年代後半になるとライトニングの退役や戦術攻撃機のジャギャーの配備が進みF-4Mは地上攻撃任務から防空任務へとシフトし冷戦の終了を後継機のトーネードF3と共に見届けて1992年10月に静かに退役した。
諸元
F-4K(海軍型)
全長:17.5m
全幅:11.7m
全高: 4.9m
最大離陸重量: 26t
エンジン:RR・スペイMk202ターボファンジエット
推力 ミリタリー:5.556Kg×2
リヒート :9.305kg×2
最大速度 M 2.2(高度11000m) |