存在したことが知られていないか、知っていても忘れられたオオタキF-16の、さらにバリエーション製品。
初版キットは1977年発売だったが、記憶ではタミヤより高く箱絵もパッとしなかったので、お店ではタミヤの10分の1も売れなかったように思う。そのさらにバリエーション製品ということで、もとが売れていないので残存キット数は相当に少ないだろう。では、お宝キットかというと、そうではない。まず形だが、ほぼYFでちょっと先行量産型という中間的造形というハンパもの。その上で『航空ファン』1977年6月号の「新製品紹介」では、「脚柱を2mmほど切りとった方がよい」ともある。
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さらにハセガワ「おっ助け写真帳」Vol.5(1988年)から引用すると、「モノやタミヤよりはだいぶんシャープなできだ。
全体的にはYFのスタイルだが全長が短く、猫背が強い上にコックピットの幅がせまいので印象はよくない」とある。“あ~~あ”みたいなキットなのだ。それに加えて実戦感充分のイスラエル空軍のデカールという、さらに難解なものなのだ。
けれども、今の私には全~然、気にならない。むしろ、試作機から量産型への改修過程にもかかわらず各社が続々とキット化をすすめた、プラモデルが元気だった時代の証人だから、心が熱くなる。“やっちゃえ、オオタキ”だ。
さあ、作るぞ! |