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CARプラモデルの製作

 フェラーリ512BB (河合商会 1/38)

  by 加藤 寛之

 カワイが消えて何年かたった。「農家」は人気プラモだった。 精密・精巧だけにプラモデルの価値があるかのように思い続けた我々「モデラー」にも、少し原因があったのかと思う。




 もう50年近く前のことになるが、そのころに私がよく行った地元の「佳作模型店」には、100円のゼンマイカーがあふれていた。ゼンマイはセントラルのものが最強で、10数メートル走った。やや落ちてクラウン、あとは似たようなものだった。何が原因か分らないが、知らないうちに100円ゼンマイカーは店頭から消えた。 スーパーカーブームはその7~8年くらい後で、そのころになるとキットのスケールも大きくなって、自動車プラモはモーター動力で走るのが普通になっていた。
スーパーカーはマルイ製品の評価が高かったが、子供には組み立てが難しいキットだった。本当によく売れたのはニチモのモーター付500円のシリーズで、誰にでも簡単に組めてよく走り、丈夫だった。




 そのスーパーカーブームにやや遅れぎみでひっそりと登場したのが、カワイのこのシリーズだったように記憶している。接着剤不要のお手軽キットなのに、それが諸物価高騰にかかわらず100円で登場したのだから凄い。形も悪くない。ゼンマイが弱かったけれどもセントラルを知らない子ども世代には関係なかった。 それが今や、中古キット市場では1000円もするらしい。オドロキだ。もちろん、これは100円で買ったものだけれど。




  作っちゃうよ!
 組み立て図はフタの内側に印刷してある。組み立ては超簡単で、説明はいらない。細かなバリを取り、ボディー表面に数か所ある押し出しピン跡を軽くサンドペーパーで均す程度で組める。100円キットなのに、座席やダッシュボードもそれらしいし、太いスリックタイヤも決まっている。なによりも、流れるようなボディーラインが素晴らしい。
100円キットなのに。側面の窓は透明パーツが省略されているが、これはまあ、OK。100円だから。エンビ板を裏から貼ればよいのだが、そんな味のない行為はしない。




 塗装は“こんなだったかな”くらいの確かさで塗った。上半分が赤くて下半分が黒ければ、充分にそれらしい。ライト類は透明パーツなのだが、猛烈なヒケがあり、太い取り付けピンも透けて見えてしまう。そこで赤や黄色で塗ってしまった。色にメリハリがついて悪くないと思うことにする。ワイパーは描いてゴマかす。最後にクリアの缶スプレーをブワ~~と吹いて、あとは充分に乾けばよい。  手に取る。ドアをグッと開けば、100円ゼンマイカーとは思えない迫力だ。そしてなんと言っても「ゼンマイで走る」。凄いじゃないか、走るンだよ、走るンだよ。「今のキットに出来ますか!」って。





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