1934年にスウェーデンのランズベルク社が開発したL-60軽戦車は、自国やハンガリーで採用されたヒット作ですが、そのバリエーションに、ボーフォース社製40mm対空機関砲1門をオープントップの砲塔に設置した「L-62対空自走砲アンティⅡ」が開発されています。
搭載砲に合わせて車体の大型化、転輪の増加が行われ、スウェーデンでは不採用でしたが、L-60をライセンス生産中のハンガリーは、L-62のライセンス生産権も取得して、砲塔の大型化など改良を加えた「40Mニムロッド対戦車/対空自走砲」を135輌生産して、対ソ戦に投入しました。
また対ソ報復戦が念頭のフィンランドは、1941年4月ランズベルク社にL-6アンティⅡを6輌発注し、防空中隊を組織して、やはり対ソ戦に投入しています。
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フィンランドの6輌はすべて生き残り、そのうち2輌はパロラ戦車博物館に展示されていますので、古~い写真ですが、紹介させていただきます。
一方アンティⅡを見逃したスウェーデン陸軍は、脇で第二次世界大戦を眺めながら、対空自走砲の重要性に気づき、1945年にL-62アンティⅡを基に開発されたLvkv(Luftvarnskanonvagenn=対空自走砲) fm/43を17輌発注します。
同車両はボーフォース40mm対空機関砲2門をオープントップの砲塔に設置したので、大型の砲塔や重量増加により、母体のL-62車体の大型化と大馬力エンジンへの換装がなされました。スウェーデン陸軍機甲旅団の対空自走砲として配属、1969年まで現役です。生産台数は、リサーチ不足でご免なさい。
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