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特集 ハセガワのプラモデル

連載  世界の名作(迷作)キット発掘コーナー

 RF-101C「ブードゥ」 (ハセガワ1/72)

by 鳥巣 Torisu



 

<実機解説>

 1946年にアメリカ陸軍から独立したアメリカ空軍で編成された「戦略空軍(SAC)」にこれまで使用してきたP-51に代わるジエット護衛戦闘機としてロッキード・ノースアメリカン・マクダネル各社が応募したがSACはマクダネル社案を採用しX-88として試作契約を結んだがSACの予算が大型爆撃機「B-36」に食われてしまい難癖を着けてその試作契約を破棄した。その後1953年使用していたF-84に代わる機体としてWS-105(ウエポンシステム105)の名のもとにF-101として再度マクダネル社と開発契約を結び試作が始められ1954年に初飛行した。
 初飛行したものの低速、もしくは高速・高G状態の迎え角を取ると主翼フエンス外側の翼上面で気流が剥がれ、後流が尾翼全体を押し下げる結果ピッチアップを起こし最悪の場合スピンに陥るというトラブル(悪癖)が解消が出来なかったのとSACの運用方針が変わり自前の戦術戦闘機は要らないとの判断から戦術戦闘機としてのF-101は3飛行隊だけ編成された。
 しかし捨てる神が有れば拾う神が居て戦術戦闘機としてF-105の配備が進んでいたTACはSACが勝手に進めていた101には冷たかったが使用している戦術偵察機RF-84の交代が急務でピッアップの悪癖は有るが単純に「真っ直ぐ高速で飛ぶ」偵察任務では致命傷にならないとの判断から戦術偵察機として採用し1957年にRF-101Aとして部隊配備が進められた。その後改良されたRF-101Cが作られ1962年に起きたキュバー危機や1965年に行われるベトナム戦争での「ローリングサンダー(北爆)」でも戦術空軍唯一の高速偵察機として運用された。

諸元
全長:21m
全幅:13m
全備重量:2、2t
エンジン
P&WJ-57ターボジエット(推力5.900kg)×2
最大速度:時速1.600キロ
航続距離:3.315キロ
乗員:1名
武装:無し(但し戦術核爆弾B-43運用能力有り)




<キット解説>

 初版は1968年に発売され1990年代までは定期的に発売されましたが今では絶版扱いで稀にコンボ仕様の再販や中古市場での放出品を見かける絶滅危惧種扱いのキットです。
成型色はダークグリーンで当時の米空軍のSEA迷彩を意識しています。
部品点数はランナー枠2つと透明部品と言う少なめで初心者でも無理なく組めるパーツ構成です。
デカールは「第45戦術偵察飛行隊」のマーキングだけですがSEA迷彩2種類と「ポルカドッツ」と呼ばれる由縁となったシルバー塗装に水玉模様計3機種分のデカールが同封されています。


製作

<コクピット>

 前脚収納部と一体化されたフロアーと座席・パイロットの3点構成と言う当時のハセガワのジエット機標準のパーツ構成です。 全体をMrカラーの「エアークラフトグレー」で塗り別に塗った座席とパイロットを組み込んで終わりです。



<胴体と翼の組み立て>

 先に組んだコクピットを胴体に取り付けます。ノーズが長いためか錘の指示は有りませんが一応M5のナットを一つ念の為入れました。
胴体の左右のを貼り合わせたら主翼を取り付けます。
エアーインティクの整流板の合わせが悪く隙間が出来ます。ここは修正が難しいのでそのままにしました。その代わり接合部上下の隙間にラッカーパテを盛り付け整形しました。
最後に垂直尾翼と水平尾翼を着けますが水平尾翼の可動部が垂直尾翼と干渉するので水平尾翼取り付け部分を平らヤスリで干渉する所を削り合わせました。
このキット最大の難関です。
胴体と翼の組み立てが終わったら接合します。
胴体と主翼取り付け部と胴体左右貼り合わせ部に隙間と段ズレが生じたのでラッカーパテを盛り付けました。




<整形とサフ吹き>

 盛り付けたパテが乾いたら紙ヤスリ#180・400・1000・1500の順番で削り#2000の紙ヤスリで仕上げたら#1200の缶スプレーサフを吹き付けて整形は終わりです。 今回はプラの材質が硬かったので180番と言う荒目でモールド共々全体を削りました。




<消えたモールド彫り>

 同翼部分と大きなパネルラインを彫り直します。
今回はタミヤの6mmマスキングテープとトライツールのテンプレート及びP-カッタで彫り直しました。
今まではモデラーズの肉厚のテープを使っていましたがタミヤの薄いテープでも力を入れずに数回に分けてなぞる様にカッターを引けば簡単に出来ることが分かりました。


<塗装とマーキング>

 塗装は当初シルバーに水玉模様の「ポルカドッツ」仕様に仕上げたくてナチュラルシルバーに決めました。
全体をセミグロスブラックに塗り1晩乾燥させた後Mrカラー8番「銀」を吹き付けた後動翼と機首部分をマスキングしてガイアノーツの「ナチュラルメタリックシルバー」を上塗りして基本塗装は終わりです。
上塗りしたシルバーが乾いたらキャノピー前面とカメラ機材部の黒を塗りエンジン排気口周辺にはダークアイアンを塗りました。
脚をシルバー、脚カバー内側は机の上に有った「ガンダムレッド」脚収納部は「機体内部色」で塗り分けました。



<デカール>

 中古品の為デカールが死んで使えなったので手元のジャンクから「TAC」のマークと国籍マークと文字を拾い集めて存在しないマーキングにしました。



<完成>

 デカールが定着したのを確認して「半光沢」クリアーを吹き付け、
キャノピー・カメラ窓等の透明部品を取り付け、脚と脚収納部カバー、ピトー管を着けて完成です。
発売されてから半世紀以上経つ古のキットですが基本プロポーションは良いのでセンンチュリーシリーズのコレクションの一つとして部屋の在庫から引っ張り出して作ってみては如何でしょうか。
高校生の時に一度作ったキリだったので製作する機会を与えて下さった編集部に感謝です。



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