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飛行機プラモデルの製作

フォルゴーレとベルトロ
マッキC.202(ハセガワ&イタレリ1/72)、
マッキC.205V(イタレリ1/72)

解説と製作:R.P.K.

 転居騒動で2年近くプラモ製作から遠ざかっていましたが、ようやく道具や塗料を出して作り始めたら老眼の進行とハンドピースなどの調整不足で不満足な出来ですけど、リハビリのためイタレリのマッキC.202とC.205V、ハセガワのC.202を同時進行で作りました。一見モールドが良さそうなイタレリは機首などのパーツが分割され、組み立てるとギャップも出来て修正に手間がかかります。 今回はエッチングを使わず、板鉛やシンチュウ材、糸ハンダなどでシートベルトやアンテナを作り、翼端灯と尾灯をクリアランナーで作り直しました。主脚と尾輪のタイヤ接地面を削って地上における自重変形状態とし、可動キャノピーは接着せずにペーパーセメントで開閉どちらにも仮止めできます。


 1937年12月にイタリア・マッキ社のマリオ・カストルディ技師が設計した出力840hp空冷エンジン搭載のマッキC.200サエッタ(電光)は素晴らしい運動性を発揮したが、1939年には性能的限界が予測されて新型戦闘機が必要となるもイタリアの脆弱な工業力では大出力を出す液冷エンジンの早急な開発と実用化は無理だった。そこで軍事同盟を結ぶドイツが生産する1100hpダイムラー・ベンツDB601A液冷エンジンを搭載し、C.200の胴体を再設計したC.202が作られて1940年8月に初飛行して予想以上の高性能を発揮、フォルゴーレ(電撃)として1941年から生産が開始される。最初の400機以降はアルファ・ロメオ社がライセンス生産する1175hpのRA1000RC-41-1エンジンを搭載、1941年7月から配備されて1943年9月に連合軍と休戦するまで約1300機が完成した。 ようやく世界各国の第一線戦闘機に追いついたC.202だったが、各国の急速な新鋭機の登場によりさらなる高性能機の開発が望まれ、カストルディ技師は1475hpのDB605AエンジンをC.202へ搭載する改造に着手する。1942年4月に初飛行して性能向上したC.205Vベルトロ(グレーハウンド)が生産され、後にライセンス生産されたフィアットRA1050RC58エンジンを搭載し、主翼の7.7㎜機銃を20㎜機関砲に強化したセリエIIIや主翼を延長した高高度型C.205N-1も作られ、1943年初めから配備された。9月の休戦後、北イタリアに樹立されたドイツと協力するファシスト政権下で252機が生産されて連合軍爆撃機の迎撃に活躍し、P-51Dとも互角に戦い戦後は新生イタリア空軍の主力となりエジプトへ42機が売却され、総生産は約700機だった。

1) ディテール工作などが共通なのでハセガワとイタレリのC.202、イタレリのC.205Vを同時進行したが、ハセガワは主翼のわずかな上反角が不足し、イタレリは機首の分割パーツと前部風防のスキ間修正が必要。



2) 3機のマーキングが選べるイタレリと、2機分のデカールが付くハセガワのキット。



3) 1941年7月からソ連に派遣されていた第22大隊に代わり1942年5月から第21大隊に9月から12機のC.202が増強されたが、たいした戦果もなく1943年1月にはイタリアへ撤退した。イタレリのC.202は機番を他から流用して第356中隊のセリエVIIIとして、東部戦線の枢軸味方識別用の黄色とイタリア機独自の主翼白色標識を塗っている。



4) イタレリのC.202は機首の分割パーツをならしてプロペラシャフトを作り直し、板鉛のシートベルトとプラ材のサン・ジョルジオ光像式照準器を追加、アンテナ柱をシンチュウ材から削り出した。



5) 1942年8月に北アフリカのフカ基地から連合軍と戦った第9大隊の第73中隊長ジウリオ・レイナー中尉のC.202セリエIII(MM.7844)は、第1次大戦のエース「バラッカ」の愛称と馬のマークを記入して垂直安定板に2機の撃墜マークがある。ハセガワのC.202は主翼上反角を補足し、他から機番を流用して製作した。



6) コクピットにシートベルトと照準器を追加して主脚のブレーキパイプと車輪カバーの連動部を作った。



7) 1943年9月の休戦後、北イタリアにおいてドイツ軍に協力する共和国空軍ANRが設立され、1944年4月まで連合軍と戦い続けた。60機のC.205Vを装備した第1大隊所属のC.205VセリエIII(MM.92212)だが、フランス国境近くのクネオ近郊ラグナスコ基地においてマルコ・マリオネ大尉が搭乗して訓練後、実戦へ出ている。イタレリのC.205Vキットのデカールだが写真では胴体下面のDFアンテナは装備していない。



8) イタレリのC.205Vは分割された機首のパーツを良く削り合わせ、主翼の20㎜機関砲やピトー管、翼端灯なども手を入れた。



9) 古いフロッグのC.202、タイヤがゴム質でデカールがラブダウンのスーパーモデルC.205V、エデュアルドとRCRからイタリア機シートベルトのエッチングも発売されていた。 



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