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飛行機プラモデルの製作

 スピットファイアMk.1a
(エアフィックス 1/72 旧版)

  by 加藤 寛之




 エアフィックスは何世代もスピットファイアのキットを作っているけれども、これは凸線のパネル表現でコックピットもあっさりとしていた時代のキット。買ったのは2・3年前だと思いますが、製品としてはハンブロール社時代のものでインストには「1989」とあります。 キットの構成は実に簡単で、部品番号は28まで。しかもそれには、お人形さんと引き込んだ時専用のタイヤを2個の計3個を含みます。最近の細部に凝ったキットとは、部品点数が全然違うのです。




 コックピットは小さな床板と椅子、照準器だけ。しかもそれは、胴体左右を接着してから、翼下面部分の穴を使って下から入れられます。私はプロペラを回転させずに固定するので、この部品も胴体接着時に組み込む必要はありません。だから、まず胴体左右を接着してしまい、あとから機内を塗ればよいことに。しかも床板の接着が頑丈にできるので、これで胴体幅を固定することが出来ます。ラダーは左胴についています。これはリブ再現をしながらも後縁を薄く造形する方法として採用したのでしょうが、そこはエアフィックス、どこかダルいです。
またリブの表現がキツくて、斜め前方から見たときに後縁がガタガタしているように見えてしまいます。これは後縁部分の波を削り落とせばよいことなので、サンドペーパーで軽く落すだけで解消です。同じようなことは、エレベーターにもいえます。もう一つ、垂直尾翼の前縁が厚すぎます。これはガリガリと削ればよいです。ここはデカールを貼る場所なので、パネルラインなど気にすることはありません。




  メーカーが想定した主翼の組み順は、左右一体の下面部品を胴体に接着、その後にフィレット部分にある台座に載せて上面を貼るようになっています。私は主翼を別に組んでしまいたいので、その台座を切り取ってしまいました。そのことで翼厚が保てなくなるような支障は生じません。胴体への主翼取り付けでは、フィレット部分をきれいに接着することが大切です。スピットファイアは胴体よりも主翼後縁が落ち込んでいるので、後方から見た実機はフィレット部分が持ち上がっています。
このキットはそこを表現しているゆえに隙間も生じやすいようです。うまく接着できるように、仮組みして削りあわせてから接着します。上反角がつくようにも注意します。主翼の接着が終わったら、それに合わせて水平尾翼を接着します。これは何をいっているのかというと、主翼と胴体がねじれてしまたったら、胴体は無視して主翼に合わせましょう、ということです。




 冷却器や吸気口、アンテナ柱、排気管、尾輪などといった小物は取付け部分が大きくて、作りやすくなっています。主脚柱はカバーと一体造形で現代的ではないのですが、おかげで非常に丈夫、さらに主翼への取付けも四角い断面で角度も決まるようにしてあって、良い工夫です。 脚柱とタイヤの角度も軸を太くすることで、これまたバッチリと決まります。プラモデル的な割り切りと、位置がしっかりと決まることでの外観の正確さを大切にしていることが、よく分る製品です。




 塗装の指示は、たいへんに大雑把。それに応えて大雑把に塗ってあります。塗装が痛んだ感じにしたかったので、緑も土色も、ところどころでプラの下地が見える程度に塗り、ムラをそのまま活かしています。上面の汚しは土色部分に強烈に施しています。理屈から言えば緑にも同じように施すべきなのですが、そうすると模型的には塗装が均一になってしまい、手間ひまかけて、かえってつまらなくなってしまうと思っています。
デカールは薄手で、とても貼りやすい感じ。でも、胴体の黄色は下地の白が小さすぎて、まるで濃い黄色と薄い黄色の二重線。「あ~~ぁ」と思って、「まあ、いいや」とします。こんなことが気になるのは全世界で自分くらいだし、私が所属するプラモサークルのSLBの展示会は毎年150機くらい新作が並ぶから1機の占める割合は0.7%にも満たないのです。どうでもよいのです(※5月の連休に埼玉県所沢市の航空発祥記念館です、来てね)。
最後に半光沢のクリアをプ~~~~と吹いて、ハイ、完成。




 別稿のエレールのスピットファイアで、楕円翼のことを書いてみました。では、このエアフィックスのキットは?・・・英国人の誇りでしょう、こだわりを感じます。楕円翼を胴体に埋め込んだような外観を分ったうえで造っています。 このキットが凝ったところは、細部ではありません。こだわったものは、プラモデルとしての組みやすさと、全体としての外観再現=「らしさ」だと思いますね。


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