主翼は下面が一体で左右上面を接着する、ごく普通の部品分割。翼端と後縁を上面部品に付けることで、スッキリとした造形にしている。脚収納庫は下面側に底が造ってあるので、事前に塗装する必要がない。主翼全体をみれば断面形や捻り下げもそれらしく造形してある。機銃とピトー管が主翼に造りこまれていることには賛否があるだろうけれども、部品点数を削減し小さな部品をなくす努力だといえる。つまり、プラモデルとしてなかなか良いのだ。現代風でないところは、パネルラインが凸線表現のパネルラインと着陸灯が透明パーツでないことくらいだろう。どちらも、どうでも良いことである。
|
|
胴体へ事前に組み込むコックピット関係は、床板と計器盤くらい。操縦悍と椅子は上の開口部から入れられるし、エンジンも同様で前から入れられる。実に手軽で作りやすい。椅子は実感に乏しいが、これは不満な人だけが加工すれば良い。私は肉厚を塗装でごまかした。照準器は透明な計器盤パーツに造りこまれていて、あらかじめ右寄りになるように接着位置を設けている。右寄りがちょっと極端かとも思うが、そこは模型的強調と組みやすさを併せた配慮なので、合格だ。エンジンもいい。前半分だけの造形にして、誉エンジンのギッシリ感の表現に成功している。これを前後列のパーツ構成にしていたら、このギッシリ詰まった感じの再現は困難だったろう。しかもこの単純さによって、正確に正面を向けられるし、前後位置もブレない。プラモデルとしての設計がうまい。 |