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BOOKREVIEW ブックレビュー

2017年5月

プラモデルやミリタリー関連の新刊やDVDをピックアップして 
内容のレビューをリポートするコーナーです。


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Book

 電子戦の技術
(基礎編)


電子戦の技術
(拡充編)


デビッド・アダミー David Adamy著
① 東京電機大学出版局
② 基礎編、拡充編とも 本体価格 4200円(税抜)
③ 全国書店にて

 Journal of Electric Defence;JED誌に EW101というコラムを掲載しているDavid Adamy著による 「電子戦の技術」
は、電子戦に興味がある電子技術者向けの専門書である。
 
 電子戦(EW)の一般概念、電子支援対策(ESM),電子対策(ECM),対電子対策(ECCM)、対電波放射源兵器(ARW、情報戦(IW))がまず解説され、その上で
 電子戦(EW)をいかに理解するかが、ほとんど数式を使うことなく、解説されていく。日本語訳の一部がたどたどしく難解なのが惜しいが、少し設計経験のある電子技術者には 理解が容易だろう。
 電子戦(EW)を理解する鍵は、電波伝搬理論について本当に良く理解していることだ、というのが筆者の主張である。
無線信号がどのように伝搬しているかを理解すれば、信号がどのようにして傍受(intercept),妨害あるいは防護されるかを論理的に理解することができる。その理解なしでは、EWを理解するための武器を実際に手に入れることは不可能と筆者は考え、その立場で本書の内容が構成されている。

各編の内容は
基礎編
アンテナ、受信機、EW処理、捜索、LPI信号、電波源位置決定、妨害、デコイ、シミュレーション

拡充編
脅威、レーダー特性、電子戦における赤外線・電子光学の考慮事項、通信信号に対するEW,電波源位置決定システムの制度、通信衛星回線

 ソフト化してしまった電子技術にちょっと飽きてしまった電子技術者や通信技術者にお奨め。アナログもデジタルも とうに越したEWの電子技術を刺激的に読むことができるおそらく初めての本であろう。
読みながら久々にわくわくする本である。
 読み終わった後、民生の世界で知ったつもりであった技術が実ははるかに広いことが理解でき、エンベロープの裾野が見えたような気がするはずだ。
 保証はできないが、EWに興味のある読者には、通信妨害や防護の本質、レーダーについて、必ずや深い理解が得られると思う。


DVD




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