ポリカルポフ1-15は1933年に初飛行したソ連の複葉戦闘機です。ハインケルHe51やフィアットCR32の初飛行と同年で、グロスター・グラジェーターの1年前になります。同期とは上翼をガル型にして視界を良くした点が異なりますが、1937年から生産されたI-15bisでは通常のパラソル翼に改められました。
エンジンはI-15が空冷星形9気筒M-25で700HP、I-15bisはM-25Bに換装して750HPと増強されています。両機ともスペイン内戦でデビューし、人民戦線側の戦闘機として、フランコ側の援助機であるHe51やCR32と空戦を繰り広げています、その後もノモンハン事変、ソーフィン戦争にも登場、時代を象徴するヒコーキになりました。
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1938年にはガル翼を残し、エンジンを1,000HPのM-62に替えて、主脚を手動引込式に改造したI-15ter、後のI-153がは初飛行をします。フィアットCR42の初飛行と同年の、文字通り「最後の複葉戦闘機」です。両機ともスペイン内戦の戦訓を活かしたものですが、Bf109が切り開いた単葉戦闘機の時代に乗り遅れた結果、第二次世界大戦にエントリーし、ボコボコにされました。
ポリカルポフ I-15 (レプリカ) 2004年10月撮影
スペイン空軍博物館(クワトロ・ビエントス、マドリッド郊外)にて 胴体左側は人民戦線の塗装(CA-125)、右側は内戦に勝利したフランコ政権ー後のスペイン王国ーの塗装(32-Z) になっています。
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