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(Photo) 祝生誕100周年 S.V.A

by  コルディッツ
飛行機実機写真

 ヒコーキに魅入られた団塊の世代とそのアラウンドは、故佐貫亦男教授のエッセイが縁という方が多いと思います。かく申す私もその一人で、最初に読んだ「飛行機の本」(光人社)から嵌りました。
 特にS.V.A高速偵察機のエッセイは印象深く、「飛行機の本」は見当たらないので未確認ですが、「ヒコーキのこころ」(光人社)に収録の「ズバ高速偵察機」とほぼ同一文書のようなので、印象深い文章を引用させていただきます。
「この名はS.V.Aと書き、イタリア語でVの前のSが濁音だからズバと発音する」と、なんと我が人生最初で最後のイタリア語のテキストだったのです!
 S.V.Aは10タイプあり、初号機S.V.A.1は1917年3月19日初飛行で、今年は生誕100周年に当たります。S.V.A.1は航続距離の長い高速偵察機、改良したS.V.A.5は単座戦闘機でした。そして複座練習型はS.V.A.9、複座武装偵察機 S.V.A.10となりました。
 S.V.AのSはサボイア、Vはベルドチオというズバを企画したイタリア技術将校頭文字で、Aは設計製作を行ったアンサルド財閥を意味しています。
 1920年2月14日、改造された11機のS.V.A.9がローマを離陸、最終目的地の東京に向かいます。途中で9機が脱落し、残った2機の東京到着は106日後の5月31日という冒険旅行でした。このうち1機が日本に寄贈されて、靖国神社で展示されていたそうですが、残念ながら戦災で焼失しました。そして1970年の大阪万博時に、イタリア館にローマ~東京の飛行50周年を記念してS.V.A.9のレプリカが展示されました。この時私はS.V.A.9を拝観していますが、写真はありません。レプリカは万博が終わってイタリアから日本に寄贈され、現在は 航空自衛隊浜松基地の広報館で目にすることができます。


             Ansaldo S.V.A.5   11721
 イタリア空軍軍事史博物館(ヴィーニャディ・ウァッレ、ブラッチャーノ) 2003年8月撮影



              Ansaldo S.V.A.9  13148  レプリカ
 浜松広報館(浜松基地)にて                  2012年9月撮影







  佐貫教授のエッセイでは「前方の長方形断面が座席の直後から三角形断面
になる。もちろん上面が底辺、下面が頂点である。これを構造的にいうと、下面
の胴体梁二本を座席の後方ではぎ合わせて一本とする。これによって胴体の
剛性はやや減るが、重量と空気抵抗も減る」と、詳細に描写されています。





写真を挿入して気付いたのですが、下面はイタリア国旗だったのですね…



再び佐貫教授のエッセイより「胴体後端近くに薄鋼板のガーターコルセットを はめて補強し、同時にそれへ板ばねの尾そりを取りつける。これは荒地の イタリア飛行場で離着陸するためであったが、よく考えてあった」



  アンサルド社の航空機部門は、第一次世界大戦後にフィアット社に買収され
ました。特徴的なW型翼間支柱(ワーレントラス)は、その後フィアットCR32や
CR42でも見ることができるので、アンサルドの遺産なのでしょうか?






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