サーブ18はドルニエDo217に似ていると言われます。否定しませんが、大型のDo217(全幅19.00m、全長16.19m)よりも、前代のDo215ーDo17Zのエンジンを空冷のプラモ323から液冷のダイムラー・ベンツDB601に換装した輸出型ー(全幅18.00m、全長15.79m)寄りなのでは。因みにサーブ18のサイズは全幅17.00m、全長12.23mと、Do17/Do215よりも小柄な機体です。
似ているとされる根拠は、機首に乗員を集中配備したことと双垂直尾翼であることなので、敢えてDo217だけに限定することもないかと。
しかもスウェーデンはDo215を18機購入する予定でしたが、第二次世界大戦勃発でドイツ空軍に巻き上げられたという一件があります。サーブ18は最初は高速偵察機の開発指示でしたが、その後に爆撃機の役割も追加されたのは、この一件の影響ではないでしょうか。
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サーブ18の初飛行は1942年6月、部隊配備は1944年で、最初の生産分は「盗作エンジン」のプラット&ホイットニー・ツインワスプ空冷星形(1,065馬力) 搭載の爆撃機型B18Aと偵察機型S18Aでした。
1944年7月に初飛行したB型は、エンジンをライセンス生産したダイムラー・ ベンツDB605(1,475馬力)に換装した機体で、爆撃機型B18Bと57mm機関砲
を装備した雷撃機型(実際は地上攻撃機型)T18Bが生産されています。
スウェーデンは中立に成功したので、サーブ18は戦闘を経験しないまま、サーブ32ランセンに引継ぎして1959年に退役しました。
現存機は、リンシェーピン郊外のスウェーデン空軍博物館に展示のB18Bが、世界で唯一です。同博物館の英文ガイドブックによると、この機「Red
D」は 1946年に不時着して氷の中に沈んだものを、1979年に海床から引き揚げて、 レストアしたものです。 |