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特集 ボマー 爆撃機

   Ju88 A-4 (レベル 1/72)

by 加藤 寛之




 私が所属しているSLBの展示会が5月の連休にあり、そこにマルサン1/50のJu-88があった。古い古いキットでリンドバーグのコピーだというけれども、ちゃんとJu-88している。“いいなァ・・・”と思う私。マルサンは持っていないけれども、私はこの古い金型のレベルのキットを持っていたので、調子にのって「イッヒも作るダスこのキット(私訳:私もキットを作るのです)」。ということで、予定をかえてレベルの古いJu-88を作ることにした。 こっちもマルサンほどでないにしろ超古い金型のキットなのだけれども、これは数年前のドイツ・レベルの再生産品。安売りになっていたので、購入してあった。遠い昔、グンゼ・レベル時代には300円もしたので子供の私には買えなかったから、今回が初製作。100円キットで過ごしていた少年の日の無念をはらすのだ。




 開封・・・、だいぶ金型が痛んでいる。老朽化していることが、一目でわかる。バリを取り、判然としなくなった面や角を整形し、押し出しピン跡をそぎ落とし、云々。要するに、パーツをパーツとして成り立つように整形する。  胴体は、尾輪を挟み込むだけで左右を接着できる。これはラクだ。風防前のところをしっかりと接着し、念のために裏からプラ板を貼って補強する。左右胴体パーツは、事後変形で合わせ目のところが窪んでしまう。ここは腕力で胴体を上下に広げて改善する。それでもガタガタが直るわけではないのでパテを薄く盛り、乾いたら左右がつながるように面を大雑把に均す。何度か繰り返せばきれいに整うが、テキトウなところでOKとする。“




垂直尾翼が厚いな”。まあ、いいや。後胴下面にあるアンテナは実機と違うが、丈夫な構造。丈夫が好きな私は、そのまま使う。水平尾翼は上下・左右の4パーツの構成。前縁・後縁ともにヘロヘロしているので、削って整形する。キットは、エンジンを入れることで排気管やスピンナーが付けられる構造だが、どこか怪しい。“この左右幅では排気管がナセル外に出ないのでは?”と思い、仮組みしてみると、やはりちゃんと出ない。まあ、いいか。 このキットは完成後にエンジンが見られるような構造になっているので、ナセルが分割してある。これが原因でガタガタ。ここはそれなりに組む。発売当時から「ゴツ過ぎる」との評価だった脚柱は、ホントにゴツいし、さらに金型としても傷んでいる。まあ、気にしない。機首の透明パーツ群は「それらしい」けれども曖昧な形に見える。まあ、いいや。下面のゴンドラは無理のない構造だが、精度はそれなり。氷砂糖のような(←古い表現ですね)透明パーツは、ワクの多さもあって中は見えないから、最後に銃身だけを差し込むことにする。そんなこんなで、形を組み上げる。




 全体の姿を見ると、リベットがボツボツとあって、時代を感じる。主翼の断面形がヘンなのか厚板みたいに見えるが、それでも上反角がちゃんとあるのは評価したい。
塗装は、キット指定のとおりに、ダークグリーンとブラックグリーンの折線迷彩、下面はライトブルー。この上面のパターンだが、しばしば塗装図は怪しいことがある。このキットもそうだったが、まあイイヤでごまかして塗ってしまった。黄色は鉄道色の何かの色かで、ちょっと赤すぎるが、気にしない。
黄色デカールは胴体帯とカウリング前面が用意してあるけれども、カウリング前面の細い輪状の黄色デカールが貼れるとは思えなかったので、塗ることにした。ついでに胴体や翼端下面も塗って、色をそろえた。デカールはとても貼りやすいもので大助かり。スワスチカは、その辺りにあったものをテキトウに貼った。デカールが乾いたら、機銃の前半分を所定部分に差し込んで接着。アンテナ柱とかを、最後に接着。




 見事に完成。
 今日の時点までの製造で金型が傷んでいたとはいえ、少年時代ではマトモな形にするのが難しかったと思う。しかも当時よくあったキビシいキット評に惑わされて、「手を加えよう」などと思って、ますます完成困難にしてしまったのではないかとも思う。“キットを作ればいいんだ”という楽しみ方が出来る年齢になったことが無事な完成へと導き、このキットにとっても私にとっても良かったのだと思う。
 実はこのキットの購入後、倉庫のなかにオトナになってから入手したグンゼ時代のキットを1個持っていたことが判明。思い出せば、古物商で安く購入していた。まあ、これもそのうちに作ろうか。



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