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飛行機プラモデルの製作

 N-205B/ST-38
PMモデル 1/72(改造)

  by 加藤 寛之




 『ロッキードNF-104A』(モデルアート社、平成28年)に載っていた計画機を、PMモデルのF-5Bのキットから作ってみた。
素材にしたPMモデルのF-5Bはプラモデル黎明期の品質で、絶版状態にあるハセガワのF-5Bのキットよりも数段お粗末なものだ。入手できたという理由で、これを改造の土台に使う。




 改造は、1)エンジン吸気口を埋めてストレーキ状に前へ長く整形し、2)主翼の小さなストレ-キを切除、3)尾翼周りは垂直尾翼下端の突出しを取り除き、下面に大きな垂直安定板を追加、4)尾端を3本のロケット噴射口にし、5)風防は塗装で処理、すればほぼN-205B/ST-38になる。
もともと実機が存在しないので、気軽に作業すればよい。キットの箱を見るとPMモデルはT-38も販売しているが、ホントにT-38なのだろうか。ホントにホントにT-38ならば、そっちを使うと更に工作が楽だ(とは思うが、プラが白いだけのF-5Bじゃないのかなぁ・・・)。
 キットはガタガタだけれども、何とかして飛行機の形に組む。胴体の合わせ目がガタガタにズレているとか、主翼を中央でまっぷたつにして左右別々に接着したとか、胴体と主翼の合わせ目にパックリと穴のような隙間が生じるとか、主翼も水平尾翼も、ヒケと元来の整形不良でへろへろだとか、筋彫りの大半は消えているとか、そういうことは許容範囲だ。接着したあとは、整形すれば良いだけだ。




 改造1)&2)ストレーキの造形。キットの主翼にある小さな三角形のストレーキは切り落とす。そこの翼断面形を整えるついでに主翼全面をけずって滑らかにする。吸気口を整形する新造の大きなストレーキは造形パテで基本の形を作った。前掲書にある模型写真やイメージ図を参考にして、それらしい形にする。大きな整形を兼ねたストレーキは、ノースロップっぽく丸みのある平面形にしてみた。・・・といっても、N205B/ST-38を構想していたころのストレーキの形、たとえばP530コブラは、ストレーキの平面形はもっと直線的。丸みがでてくるのは、もっと後のこと。それは承知している。
この整形だけれども、エリアルールの観点では新造ストレーキの範囲で断面積が急激に大きくなってしまうように思うが、どうだろうか。より少ないエネルギーで音速を突破できれば、その後に使えるエネルギー残量が多くなるのだから、やはりエリアルールは考慮すると思う・・・が、まあ、いいか。カッコいいしね。




 改造3)&4)尾端下面の大きな垂直尾翼は、プラ板で作った、どういう断面形なのか理解できなかったので、な~~んとなく、それっぽい形でOKとした。胴体尾端はプラ板で塞ぎ、そこへプラパイプの輪切り3つを接着して完了。まあそれっぽい、の程度でOK。   改造5)塗装しただけ。テンプレートを使って、鉛筆で小判型を描く。その中をマスキングゾルで塗る。液を楊枝で小判型に広げれば、簡単にそれらしい形になる。




 これに白っぽい色を塗ると、機体塗装は概ね終了。この白、自衛隊のファントムを作ったときの下面色だ。白いだけでなく、オレンジ色とか赤で翼端を塗ったりすれば実機っぽいのだろうけれども、私は塗装嫌いなのでしないし、そもそも実機はないから正解もない。 マッハ3.3で飛翔するというから、機首先端は高熱に耐えるように金属カバーがあると想定して銀色、タイヤも耐熱の銀色塗装をしてあると想定した。特殊機だから翼端灯はいらないものとして、無視している。残り作業はデカール貼り。そのあたりにあった国籍マークをぺぺっと貼って完了とした。



 見事に完成。
 カッコいいなぁ。・・・え?右翼に「USAF」が無いって?国籍マークが大きすぎるだろうって?・・・そんなの、実機がないのだから、どうってことないです、ハイ。


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