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(Photo) 祝生誕70周年 F-86 もう一つのセイバー

by  コルディッツ
飛行機実機写真

 ノースアメリカンF-86セイバーの初飛行は1947年10月1日なので、今年は生誕70周年にあたります。誕生は東西冷戦真っ盛の時で、朝鮮半島では熱い戦争に発展していました。それでF-86は西側の主力戦闘機機として大量生産され、東側のMiG15と交戦する運命でした。航空自衛隊にも長く在籍したので、たいへん見慣れた機体だと思います。
 素直に生誕を祝いたい所ですが、有名過ぎる機体は、改めて紹介するのは気が引けます。そこでオーストラリアで開発されたF-86Fの派生型ーエンジンをロールス・ロイス・エイボンに換装したCAC CA-27、別名「エイボン・セイバー」を紹介させていただきます。同機は112機生産されています。
 エイボン・セイバーはオーストラリア空軍以外にも、マレーシアとインドネシアで使用されました。なお試作機にあたるCA-26の初飛行は1953年8月ですが、F-86が先行して存在しての話ですので、1947年生誕としました。
※ CACはCommonwealth Aircraft Corporationの頭文字です。


CAC CA-27 Mk.30  A94-914
 オーストラリア航空遺産センター(ダーウィン郊外)にて  2002年2月撮影
 Mk.30はエイボン20(推力33.4KN)搭載の最初期型で、22機生産。





CAC CA-27 Mk.32  A94-974
 クラシック・ジェット戦闘機博物館(パラフィールド、アデレード郊外)にて 2015年11月撮影
 Mk.32はエイボン26(推力33.4KN)搭載の最後期型。主翼にハードポイントを取り付けました。



武装はF-86Fの12.7mm機関銃6挺から30mmアデン機関砲2挺に変更。



 エイボン・エンジンはF-86F搭載のジェネラル・エレクトリックJ47エンジンより
強力な上、短く、太く、軽くできています。そのためエアインテークが拡大され、
F-86の端正な印象が壊れたと思います。でも、グリフォン・スピットファイアの
ように、前代と比べてパワフルな印象が強くなっているのでは。





操縦席内部を覗き見します。











右胴体では30mmアデン機関砲を見せてくれます。





オーストラリア国旗の五つ星は南十字星を表しています。ニュージーランドも
南十字星ですが、中央の小さい星が省かれて、四つ星になっています。



エアブレーキ



ロールス・ロイス・エイボン26エンジン。 エイボンはロールス・ロイス初の
軸流式ターボジェットエンジンで、キャンベラやハンター、コメットなどにも
搭載され、スウェーデンではサーブ32ランセンに搭載されました。





同じ機体を2004年8月の拝観時に撮影したものです。




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