もう一つのFA-300の初飛行は、『航空ファン』1976年2月号が伝えている。写真はモノクロページの上3分に2に2枚のみ。本文はタテ3段組みの「国内ニュース」に11行あるだけ。「・・・同機は米国ロックウェル・インターナショナル社と富士重工の共同開発によって試作された双発軽飛行機で、試作中の6機のうちの1機が初飛行に成功した。・・・」。製造は富士重工が行っていたそうだ。それにしても、扱いが軽い。
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この2機種は、その後も航空雑誌に載ることは少なかったように思う。そしていつのまにか、MU-300は製造権が売り払われ、アメリカの飛行機になった。名前も失ったが、飛行機そのものは今も生きている。FA-300はどうか。49機造ったところで終わった。この飛行機は存在さえも覚えている人が少なくなったのではないか。
ネクタイピンの飛行機がMU-300。昔の名前で出ている。FA-300の写真は、成田空港の近くにある航空科学博物館で屋外展示されている1号機。私はここで初めて実機を見たように思う。嬉しかった。 |