ドルニエDo24飛行艇は、オランダが植民地東インド(現インドネシア)防衛のために1935年に発注し、1937年に初飛行した三発機です。K型のKはオランダ語のKoloniën(植民地)の頭文字から取られました。
K型はライト・サイクロンR-1820-F52エンジン(875馬力)、後にR-1820-G102エンジン(1,100馬力)を搭載し、王室オランダ海軍航空隊に配備され、日本の脅威に備えてインドネシアに展開しました。オランダ海軍航空隊ではDo24をXボート、カタリナ飛行艇をYボートと呼び、Do24はXで始まるシリアルナンバーを付与されています。最初に引き渡された6機は、X1~X6のナンバーを付け、
最終的には37機のDo24が配備されました。
オランダ海軍機の塗装は上面ダーク―ブルー、下面ホワイトのペンギン塗装です。1941年12月に対日戦が開戦、Do24は哨戒や爆撃に従事しましたが、日本軍の猛攻を受け、翌年2月にオーストラリアに無事撤退できたのは、僅か6機でした。そのうち5機(X5、X7、X8、X9、X10)はオーストラリア海軍機となり、
塗装とシリアルナンバーをオーストラリアの物にしました。(A49-1からA49-5) |
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1機(X24)はオランダ軍情報部に配備されたので、塗装はそのままですが、オーストラリアのA49-6のシリアルナンバーとDQ-Dの記号をつけています。
6機はニューギニアへの輸送に従事し、1944年に退役、ボガ湖でスクラップにされました。未見ですが1機の前部胴体は残ったので、ボガ湖で博物館として活動しているとの事です。
オランダの軍事博物館(スーステルブルク)に、オランダ海軍機塗装で展示されているDo24は、元スペインのT型(占領下のオランダで生産されたドイツ空軍向けの機体、BMWブラモ323R-2エンジン搭載)で、一時イギリスの空軍博物館(ヘンドン)で展示されていた機体です。
K型とT型では厳密には違いはありますが、太平洋戦争で哨戒、爆撃、救助、輸送で活躍したDo24Kを偲ぶには、十分な展示内容だと思います。 |