かつてフィアットCR42「ファルコ」(鷹)は、英国の王室空軍博物館(ヘンドン)とスウェーデン空軍博物館(リンショーピング)に展示の2機だけでした。しかしその後イタリア軍事史航空博物館(ブラッチアーノ、ローマ郊外)と帝国戦争博物館ダックスフォードに、レストア完了機が登場して、現在は4機です。
後発の2機は未見ですが、戦争博物館の方はレストア期間に撮影した写真がありました! ファルコは、時期が遅れたとは言え「バトル・オブ・ブリテン」に参戦、空中戦を行った唯一の複葉戦闘機です。
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そのドン・キホーテぶりには呆れますが、しかしドイツ空軍を打破し意気揚々の王室空軍に、この機体で挑戦したイタリア空軍パイロットの勇敢さは、賞賛されてしかるべきと思いますので、紹介させていただきます。
ファルコは、1940年秋にベルギーに展開して、英本土空爆を行うフィアットBR.20を援護して 11月11日に英仏海峡を越えますが、3機の損失で9機撃墜を記録しました。このスコアに対して故佐貫亦男教授は「続々ヒコーキの心」(講談社)で「イギリス空軍の公式記録はこんなスコアを問題にしていない。」
と一刀両断です。王室空軍博物館に展示中のCR42は、この日に不時着して捕獲された機体なので、教授の評価はたぶん適切かと… |