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飛行機プラモデルの製作

 <個人特集 「マッチにマッチ」 その1>
ポリカルポフ I-16 (レベル 1/72)

  by 加藤 寛之

 


 レベルのI-16は、発売当初には「良いキット」と高評価であったが、だいぶ経ってから平面形の大違いが判明すると評価は一転、今では「差し上げる」といっても遠慮される状態だ。私もツクダ版を含め複数持っているが、作らないのはもったいないと思っている。
 今回、AモデルのIS-1を作ったことで、なんだかレベルのI-16を作りたくなった。思い起こせば、マッチボックスの金型がレベルに渡ってから旧フロッグやレベル・ファイターシリ-ズの何点かもマッチボックスの箱で流通したことがあり、そこにI-16もあった。つまり、「マッチボックスのI-16」が存在したのだが、残念なことに単色成形だったはず。
今回、作らないのはもったいない対策で、自分でグンゼ・レベル版を使って「マッチボックスの2色成型を塗装で表現したI-16」を作ることにした。この形が、マッチボックスの2色成型のような色あいにマッチングするだろうと思うから。




 まず、主翼を組む。下面は胴体部分を含め1パーツ、上面が左右で2パーツの計3パーツ。軽く厚さの調整をして接着。
 左右胴体パーツは、椅子を挟み込むだけで接着できる。下面の主翼部分が大きな切り欠きになっているので、胴体がゆがんで幅があいまいになりやすい。プラ板を床のように貼ることで、組んだ主翼にあわせた胴体幅にする。
正面から見たときに主翼上面が左右で平らにみえるくらいの、弱い上反角になるように胴体幅を決める。胴体の幅が決まったら、エンジンとの隔壁パーツを胴体前端に接着して、さらに幅を固める。
 主翼と胴体の接着の際に、主翼前縁部分に薄いプラ板を入れて胴体側の高さを主翼上面に合わせる。




 水平尾翼は胴体側のフィレットが歪んでいるので、削って綺麗にする。あとは、うまく削りあわせて隙間をなくし、接着する。
 次にカウリング。周囲は、上側面の3パーツと主翼パーツから伸びた下面側の計4面構成。これにスリットが開いた前端パーツの5つを組み合わせる。まず、エンジンを入れる。速やかに下面側に前端パーツを接着、次いで上面を貼って位置を決める。
これに側面を貼ればよいのだが、先に主翼前縁部分に薄いプラ板を入れた影響で、側面は上下寸法が不足する。これは上側であわせ、下側に生じる隙間に薄いプラ板を差し込んで埋める。下面に近い場所なので、大雑把な作業でも目立たない。脚周りやプロペラといった小物は、それなりに整形しただけ。




 さて、塗装。マッチボックスがI-16を2色にしたら何色か、と想像する。一つは緑色だろう。GSIクレオスMr.カラー66番「デイトナグリーン」がプラっぽい。もう1色を水色にするとマッチしすぎるので、これは灰色にする。灰色は、同308番「米制空迷彩色」。細部はテキトウに実機っぽくすれば良く、垂直尾翼先端はキット指定の通り黄色にした。 デカールは赤の発色も悪いし超絶劣化していたので、余っている赤星デカールをキット指定のように貼った。ラダーの「4」(?)は銀色で描いてソ連機っぽくした。塗装が終わったら、組み立ての邪魔で切り落とした機銃とピトー管を真ちゅう線で代替、ついでにアンテナ柱も立ててみた。全体に半光沢のスプレーをブワ~~~と吹いてツヤを合わせれば、作業終了。




 開封から正味1日半で完成した。簡単なプラモデルは楽しい。緑と灰色のマッチ2色成型風塗装は全面塗装だったこともあって、正規の塗装よりも手間がかかっているのに、似合いすぎて実機塗装であるかのよう。少々残念。まあ、いいか。
 「マッチボックスの2色成型を塗装で表現したI-16」はプラモ塗装の王道ではないが、別に王道である必要もないし、作らないよりも作った方がずっと良いと思うのだ。・・・それに、結構、イイ感じですよ。ご覧のアナタも、少しだけココロが動いたでしょ?


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