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飛行機プラモデルの製作

 <個人特集 「マッチにマッチ」 その3>
一式戦隼二型乙(アリイ(旧LS) 1/72)

  by 加藤 寛之

 


 「マッチボックスの2色成型を塗装で表現」するのが止まらず、アリイ(旧LS)の隼二型乙も同じように作ってみた。このキットはしばらく前に、半郷愁的な気持ちと入手困難が近いだろうとの憶測で購入してあった。 簡単なキットなので、これも1日もかからずに完成した。寝て・食べて・TVも見て・入浴も・図書館で調べ物もして、1日かかっていない。




 素材は、明灰白色だった。2色のうち1色はこの素材色とし、もう1色は塗装で薄い灰緑色にした。濃緑色が似合うことは分るけれども、マッチは「適切な色」と「疑問の色」という2色で成型するときがあり、そんな疑問の組み合わせを再現してみた。

「マッチボックスの2色成型を塗装で表現」するには、丁寧に組み上げることが大切。それも今日の優良キットならばたやすいが、アリイ(旧LS)の一式戦隼二型乙は1963年製でパーツ精度が低い。加えて、エルロン、キャノピーは今でも可動だ。ガタつき調整が主要の組み作業になる。まず主要なパーツをランナーから外し、バリを取る。接着面はすべて均しておく。パーツが少ないから、意外なほど早く下準備が出来た。




 主翼から組む。整形に邪魔なピトー管は切り取っておく。主翼とエルロンを仮組みして動き具合を確かめ、主翼全体の隙間やエルロンの動き具合を確かめる。OKならば、エルロンの可動軸を挟み込む凹みに水性ボンドを塗る。これで、エルロンのガタつき防止と接着剤が入り込むのを防ぐ、2つの効果がある。

 胴体に挟み込むものは、なにもない。胴体を仮合わせして上述の主翼に組み込むと、フィレット上面側に隙間がある。上反角をつけると、ちょうど良い隙間とわかる。・・・と、いうことは、胴体幅を強固にして主翼を支える必要がある。
胴体内側にはお人形さんを載せる棒が左右から出ているので、これにプラ板を貼って幅を固定することにした。それが床板になって、底抜けもごまかせる。

 機首とカウリング、水平尾翼は擦り合わせでOKだった。プロペラは基本の形はよいが厚い。金型を修理するなかでそうなったように見える。これは薄く削ればよい。主脚はカバーと一体で合理的。それなりに整形しておく。キャノピーは可動のための軸が短くなっていて、可動に組めなかった。座席も計器盤もないが、開状態で接着することに決めた。




 塗装は、胴体と主翼下面は着色せず、カウリングと主翼上面、水平尾翼を薄い灰緑色にした。機首上面の黒は、単なる黒。キットでは、黒90%・青10%で混ぜるように解説している。実機がどうかは別として、「マッチボックスの2色成型」らしさを表現するために色は単純にしてみた。主翼前縁は「赤」にしてみた。実際に赤で塗った日本機もあったようだが、プラモデルの完成品では見かけない。私もいつもならば「橙色」に塗るが、今回は「赤」で楽しんでみた。 同じようなことは、脚柱にもいえる。実機は、脚柱を灰色や銀灰色、黒に塗ることで傷を見つけやすくしたという情報をしばしば目にする。私も普通は銀色に塗るが、今回は素材が明灰白色なのでそのまま使ってみた。キットの主脚はゴムの覆いを再現しているのが面白い。配備された実戦機へのこだわりだと思う。
デカールを数枚貼り、乾いたら半光沢スプレーをPU~~~~と吹いて、ハイ完成。




 思ったよりもイイ感じ。ちゃんと隼している。エルロンは水性ボンドが効いて、いい感じで動く。疑問の2色もサマになっている。 意見はいろいろあるでしょうが、買ったままで積んであるよりもズッと優れた状態だと思う。でしょ、でしょ?



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