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  イリューシンIL-76MDロシア戦略輸送機
(ズベズダ 1/144)

by口博通 Hiromichi Taguchi
 



 ズベズダから 「1/144 IL-76MDロシア戦略輸送機」が発売されましたので作ってみました。 日本では、ほとんど知られていない地味な輸送機ですが、実はロシアの全幅50mの大型傑作ジェット輸送機で、ロシアのプラモデルメーカー ズベズダが自国の機体をリリースした理由も頷けます。
 このIL-76MDは上面ホワイトでストライプが入り、一見民間機のように見えますが、尾部に23mm機銃が2門装備されており、れっきとした軍用輸送機です。 
 IL-76シリーズは1974年に就役し、現在も発展型の開発と生産が続いています。今後もロシアだけでなくインドや中国などでも使われ続け、総計1000機以上生産されるようです。外形は米国のロッキードC-141スターリフターと似てはいるが、はるかに大きく、搭載量は40tonあります。


キットについて

 ズベズダの144キットは全長全幅30cm程度で、なんとかコレクションできる大きさ感でしょう。成型色はグレーで、部品総数はスタンドを含んで161点と1/144としては、多めです。
コクピットと貨物室も再現されており、また、貨物室ドアの開状態も選択可能となっています。細かい部品が多く、ピンセットは必須です。
 ロシア製といえども、昨今の3DCADの成果で部品の合いがよいので、組み立てのストレスは少ないでしょう。
 主翼の前縁スラットと後縁フラップのダウン状態も選択でき動きのある状態で作ることが可能です。
デカールは旧ソビエト、現ロシアの計3種のマーキングが付属しています。

箱絵

組み立て

貨物室
 輸送機の特徴はなんといっても貨物室です。キットでは適確に再現された箱状に組んだ貨物室を胴体に挟み込む構造となっていました。貨物ドアを開けて組めば、完成後も覗くことができます。
輸送機のプラモデル化は、このように外形だけでなく、貨物室まで再現して欲しいものです。


コクピット
 コクピットは貨物室先端に取り付ける構造で、実機そのままの2階建てを再現しています。床をグレー、座席をオリーブグリーン、計器類はロシア軍用機の定番である青銀(シルバーブルー)で塗っておきます。
 胴体の貨物ドア付近には内部部品を接着し、グレーに塗装しておきます。念のため、オモリをコクピット床下に仕込んでおくと 安心です。

胴体



 胴体、主翼とも30cmを超えるサイズなので、速乾性流し込み型接着剤(Mr.セメントS 等)を使用すると製作は楽。説明図は英語も併記されています。 大型機なので、とにかくしっかりと接着しておきましょう。

胴体に貨物室を挟み込んで、胴体左右を接着する。


貨物室扉上部付近のディテール


主翼のフェアリングは別部品化されていて、胴体に接着する。



主翼とエンジン
 4基のジェットエンジンは適確な出来で、主翼下面にも歪まずにセットできました。
 スラットとフラップを下げた状態で作ってみました。そのための部品が別に入っているので、説明書のバージョン3に従って部品を選択します。



フラップとスラットを下げて完成した主翼



 形になりましたら、全体に柔らかくペーパー掛けをします。



タイヤと主脚
 
 大型機ゆえ、タイヤはダブルになっています。144なので、主脚とタイヤを接着後、塗装する方が簡単です。

塗装

 箱絵の通り、上面ホワイト、胴体と主翼をライトグレーの塗装です。翼端はレッド。
翼前縁はシルバー。貨物室ドア内側はグレーです。
デカールは印刷もよく、胴体ストライプも3分割されていて貼りやすいものでした。


完成

  胴体、主翼とも30cmを超える輸送機が思ったよりも簡単に完成しました。
ロシア、東欧プラモデルの昨今の進歩を実感するズベズダの新製品でした。






   

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