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(Photo) スーパーマリン シーガルV/ウォーラス

by  コルディッツ
博物館実機写真

 10月号の「全日本模型ホビーショー2017最新レポート」に、エアフィクスが48のスーパーマリン ウォーラスをリリースする記事がありました。ウォーラスの新製品が主翼を折り畳んだ状態の写真付きで、最近のエアの技術力と価格破壊力の強力さを思い、守備範囲ではない48キットなのに、ワクワクしました。
やがて出る72を楽しみにしています。
 そんな訳でウォーラスの写真を整理してみました。英文Wikipediaによるとウォーラスは博物館に2機、個人所有で1機が残り、原型のシーガルVは1機が博物館に残っています。このうち博物館の3機を紹介させていただきます。


  ウォーラス HD874
 王室オーストラリ空軍博物館(ポイント・クック、メルボルン郊外)にて
1999年か2000年の7月撮影
 博物館へのアクセスは車だけのようです。空港からタクシーで直行、
帰りも宿のメルボルンまでタクシー利用。出費に頭痛がしました。
 当時はアナログ・カメラだけで、ブーメラン戦闘機にしか関心なく、
ウォーラスに目を向けなかったのが心残りです。
 レストアを終え、全面オレンジイエロー塗装で展示中のようです。   



     シーガルⅤ A2-4
 王室空軍博物館(ヘンドン)にて  2013年7月撮影  
 ウェーラスの原型のシーガル飛行艇は、牽引式プロペラ機で34機生産され、艦隊航空隊とオーストラリア空軍で使用されました。
大日本帝国海軍もサンプルに1機購入しています。
 オーストラリア空軍は、次に艦船からカタパルト射出する飛行艇をスーパーマリン社に要望します。そこで同社のR.J.ミッチェル技師はシーガルを推進式プロペラに、艇体を全金属性に改めたシーガルV を開発しました。オーストラリア空軍の採用に続き、イギリス海軍が採用して、名称を改めたのがウォーラスMk.Ⅰです。
 2016年10月まで王室空軍博物館(ヘンドン)のバトルオブブリテン館に展示されていました。



銃座はヴィッカースK7.7mm機関銃。



プロペラは右に4°オフセット



      ウォーラス L2301
 海軍航空隊博物館(ヨービルトン)にて   2016年4月撮影
 この機はアイルランド軍所属でした。1942年にドイツ空軍に従軍しようとした4人のアイルランド人に盗まれましたが、逃走飛行中に英空軍に迎撃されイギリスに着陸。その後アイルランドに返還され、WWⅡ後に英国人が購入して、海軍航空隊博物館に寄付したものです。つまり一度も英軍機であったことはない!







両生類なので引き込み式主脚を装備しています。



エアフィックスの主翼折り畳みの作りが楽しみです。









    おまけ    軽巡アキリーズ艦上のウォーラスの模型
 デボンポート海軍博物館にて    2017年9月撮影
 デボンポートはニュージーランド海軍基地のある、オークランドの対岸にある港町です。その町の海軍博物館ではニュージーランド海軍の武勲艦、軽巡アキリーズの模型が展示されています。
 アキリーズは、ドイツ海軍のポケット戦艦「アドミラル・グルーフ・シュペー」と交戦し、これを撃破しましたが(ラプラタ沖海戦)、その模型艦のカタパルト上にウォーラスも載っていました。アキリーズは1936年に新型カタパルトを装備し、ウォーラス1機が配属されていました。
グラーフ・シュペーとの戦闘でも活躍したのでしょうか?




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