「ゴールド中隊のラインはなぜ金色ではなく黄色なのか?」という謎については、楽屋の裏話も含めて、はっきりとした理由が聞こえてきません。Yウイングの大型プロップ(全長70cmほど)はアポロ・サターンVのキットを使い、先ず基本骨格が3機分同時に製作されました。そのあと、表面のデコレーションと塗装を2班で分担して行った結果、黄帯と赤帯の2種が完成しましたが、結局、赤帯の方は使われないまま、お蔵入りになっています。このあたりは、モデラーが監督の意向を聞く前に先走ってプロップを作ってしまった感があり、スター・ウォーズ初期の予算に配慮しない同好会の姿が色濃く反映されています。
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実はepisode4の劇中には「ゴールド中隊」に該当する英語のセリフは出てこず、<ゴールド・リーダー>の存在からこの「3機編隊の中隊」の名前が想像されるだけなので、あるいは「イエロー中隊」が正式名なのかもしれません。しかし、やはり「イエロー中隊のゴールド・リーダー」という設定は本作のルールからは考えにくいので、最終的に「機体は黄色い方がリアルだが、セリフはgoldの方が響きがいい」という映画的判断で落ち着いたのではないか、と想像されます。そこで今回、この素組みの方は「ゴールド中隊の黄帯は金色の褪色表現」という想定のもとでメインテナンス・ジャッキに載せてみましたが、実際にこうして金色の帯で立体化してみると、やはり黄色い方が反乱軍の他機のマーキングによく溶け込こんでいて、なるほど制作者の判断は正しかった、と納得してしまいました。 |