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飛行機プラモデルの製作

 ズリン212 (RSモデル 1/72)

  by 加藤 寛之




 チェコスロバキアで造られた飛行機。1935年にプロトタイプが飛んだそうだ。実機はエンジン違いで12型と212型があり、キットは機首のレジンパーツの違いで別商品らしい。それぞれに開放座席タイプと密閉風防タイプがあるそうで、これはキットに胴体と風防を2種いれて選択できるようにしてある。
水平尾翼面積も2タイプあるので、作る人によって完成時の形がまったく異なる面白いキットだ。
 実機は日本にも密閉風防タイプの12型が1機輸入されたようだが、全然、知らなかった。




 キットは上質な簡易インジェクションキット。実機は木製なのだろう、表面モールドはほぼなくて、ツルっとしている。簡易キットなので、金型(?)の合わせ目が尖った山型になっており、主翼後縁やプロペラも周囲のキレが甘い。これは「当然」の範囲だから、きれいに整形すればよい。風防はこの類のキットとしては超上質で、ちゃんと透明だ。
 私は密閉風防タイプを選択。コックピットが丸見えでは面倒だから。
 まず胴体左右を合わせてみる。ほぼ合う。コックピットの床パーツは幅が広すぎるようで、これを挟むと胴体が合わさらない。一旦は床の幅をツメてみたが、どうせ見えないので使うのをやめた。よって、直ちに胴体左右を接着、一晩おいて整形。段差はパテなど使わず、削って合わせる。左右どちらが正しいかも分らないのだから、それで良い。




 主翼は、胴体との接着面を平らに整形する。こうしないと、接着できない。1枚モノの成型なので、軽く表面にヒケが生じているので、すっきりと削る。後縁が膨らんでいるので平らにして、薄く見えるようにする。主翼は左右で厚みが違ったが、言わなければ分らない。
 胴体と主翼を接着する。上反角はキットに従う。胴体と接する主翼後縁が甘くて僅かだが欠損が生じるので、ランナーから小片を切り取ってそこに瞬間接着剤で着ける。あとで整形する。簡易インジェクションキットならば通常範囲。
 水平尾翼は、台座が別パーツ。削って胴体に組み込む。これに水平尾翼を水平に、かつ主翼とねじれないように接着する。右側の水平尾翼は平面形が前に出てしまうので、ここは水平尾翼側の取付け面を切って調整する。微妙に左右の平面形が違うことになるが、この程度は「普通」の範囲内。
 垂直尾翼も別パーツ。これも簡単に調整すればちゃんと着く。
 脚柱は怪しい。片側3本で組むのだが、取り付け位置はあるだけで、挿して固定など出来ない。それは簡易インジェクションキットならば仕方がないのだが、その位置が怪しい。「これってホント?」と思うが、キットに従う。でも、怪しい、怪しい。どうにでも着く3本の脚柱を組んで、しかも左右に傾かないようにもする。これも、簡易インジェクションキットならば通常範囲。
 尾ソリは真ちゅう線に置き換えておく。これは丈夫にするため。形は全然違うが、丈夫がなにより。
風防はとても合がよい。素晴らしい。周囲の微細なバリを除く程度でOKだった。
 冒頭に書いたように、上質な簡易インジェクションキットなので、簡単に形になった。




 塗装はアメリカが使った、緑色の機体。資料は箱の印刷だけだから、迷わなくて済む。どんな緑色か分らないので、“何でもいいや”で、手元にあった日本海軍機の緑を塗る。全体塗装は、「もう1回、塗ろうかな」と思ったときがヤメるとき。成型色が透けて見えるところや塗りムラが、味わいになる。黄色の部分は、塗りつぶした感じにする。翼や胴体にも何かを塗りつぶして跡があるので、日本海軍機の緑にちょっと違う色を入れて、薄く塗っておく。細かいところも、チョコチョコっと塗っておしまい。
 デカールは白だけの米軍マークを4枚貼るだけ。簡単でいいな。
 完成。組むだけで立派なものになる上等なキットとは全然違って、とてもじゃないが立派なものにはならない。立派じゃないが、プラモデルをプラモデルのように作る、それでいいのだ。



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