誇り高き英国海軍が、アメリカ製造のファントムⅡを採用する羽目に陥ったのは、国家財政悪化のためでした。しかし費用削減狙いで国産エンジン搭載や英空母サイズに合わせる諸改修を施したものの、肝心の空母まで財政難で廃止となり、英国版のファントムFG.1は52機の少数生産になります。
このため「世界一高価なファントム」と揶揄されたように、経済再建には貢献出来ませんでした。されどロールス・ロイスRB168スぺイ・ターボファンエンジン搭載して胴体を膨らませ、狭いリフト対策に機首レドームを折り畳み式にし、前脚延長で空母からの発艦を容易にしたフォルムは、ファントム一族なのに折り目正しい英国紳士のように見えるので、マイ・フェバリットの一つです。 |
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ファントムⅡはベトナム戦争の象徴になりましたが、女王陛下のファントムに華麗な戦歴はありません。しかし1969年、大西洋横断無着陸飛行50周年を記念するニューヨーク~ロンドン間の速度レースに参加、£6,000の優勝賞金をゲットしました!大時代的な「グレート・レース」に出走は、大人げないと思いつつも、ホビーに真剣に打ち込む英国人に嫉妬と羨望を覚えます。
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