このようにAT-ATは廉価大量生産を前提として開発されているために、そこにはいくつかの本質的な欠陥が内在する。
まず何より、本機は左右に曲がることができない。
これは膝関節以下の構造とは関係なく、本機の股関節の胴体部への接続形式のみにより決定されるものであって、足裏にキャタピラー等の横方向への移動装置が付属しない限り、本機は前方もしくは後方へのみしか移動できないことになる。そして、実際にそのような動輪類が装備されていないことは、惑星ホスにおけるレベル・ベース攻防戦の記録映像やレイのシェルター画像において確認された事実である。
さらに、本機は攻撃兵器としては異例なまでにその移動速度が遅い。
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本機の最高速度は時速60km程度とされており、一見、陸上兵器としては充分な速度を担保しているかに思われるが、その巨体から算出されるスケール・スピードとしては、砲撃に際してほとんど固定目標と見なしうるほどに鈍重であると言わざるをえない。その原因は、これも前述の記録映像の分析から明らかであるが、本機は四足のうち、2本以上を同時に動かすことができない。すなわち、前進の際にはいずれか1本の足が前方向に移動する間、他の3本は完全停止した状態で上部貨物室を支える構造となっている。これはストップ・モーションの異常なまでの煩雑さが最大の要因ではあるものの、同時に、発動機出力に対して過大すぎる重量がもたらす低いウエイト・レシオもまたその一因となっているものと想像される。 |