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誌上個展

   ロンドンバス「ルートマスター」 (レベル 1/24)

by クラキン




 クラブの今年のテーマが「英国」ということなので、ストックしてあったレベル1/24のロンドンバス「ルートマスター」を製作いたしました。
7月8日に製作開始し、完成したのは11月11日ですから製作期間4ケ月というロングランになり、タップリと楽しめました。



<実車について>

 2階建ての赤いロンドンバスは馬車からエンジン付きの車へ移行した時代から既に走っていたようですが、今回製作したのはイギリスのアソシエーテッド・エクイップメント社が製造し、1960年~2005年までロンドン市内の路線バスとして活躍していた「ルートマスター」です。
2005年に路線からは引退しましたが現在でもロンドン市内の観光路線を走っているようです。
総生産台数は2876台にもなりました。
全長9.1m、全巾2.4m、全高4.4mの巨体をレイランド0600型ディーゼルエンジン9.8L、最高出力115馬力で引っ張りました。
FR駆動で4速セミオートマチックトランスミッション搭載です。
座席定員は1階32人、2階43人の合計75人が乗れます。



<キットについて>

 2011頃にドイツレベルから発売された比較的新しいキットです。
総パーツ数は約400点、完成すると全長40cm弱、全高約20cmというビックキットです。
ルートマスターのエンジンはAECAV590型9.6Lとレイランド0600型9.8Lの2種類ががありますが、このキットも程よく再現された2種類のエンジンが付属し選べるようになっています。
フロントのウィンカーランプも、エンジンに合わせて2種類から選択できるようになっています。
このキットの特徴は車体内部構造とボディ外装が全く別になっている二重構造であることです。
その為、完成すると900gという重量になります。

箱絵



  大きなパーツが多いのでパーツ自体の歪み、捻じれなどがありますが、精度自体は申し分なく、パーツの位置決めもしっかりと決まるよう工夫されているので、組み立て自体に特段難しいところはありません。
各部のディテールもスケールに見合った過不足のないものです。
デカールは2路線分が付属しており、一部寸法があっていない物がありますが、トリミングすれば解決しますし、硬すぎず柔らかすぎず、扱いやすい物です。
このキットの最大の難関は35個の客席と6個の巨大なボディ外板パーツと40個以上あるクリアパーツです。
根気勝負です。



<製作>

 当初は1階客席とヘッドライト/テールライトの電飾を行う予定でしたが、結果的には全部諦めて、素組みになりました。
理由は、1階客席(天井)については展示台まで配線を下すルートが無い事。
ヘッドライト/テールライトについてはテールライトの配線を施すスペースが全くない事です。
テールライトが駄目なのでヘッドライトだけ点灯させても意味が無いので止めました。




  エンジンはレイランド0600型ディーゼルエンジン9.8Lを選び、 デカールは「広告が派手で模型映えする」という理由で路線番号38のピカデリーサーカスルートを選びました。

エンジン




 一番大変だったのは35個の客席の製作です。ひとつの客席はシートクッション・フレーム・脚の3個のパーツで構成され、これに2枚のデカールでファブリック地の柄を貼るという物です。
 先ず、シートクッションに脚を取り付けてから車内色(赤と黒と青で調色した物)を塗り、ファブリック柄のデカールを貼ってマークソフターでベタベタにして馴染ませ、
乾燥を待って、メッキシルバーで塗装したフレームと合体させる・・・という作業を35回行う訳です。

シートのデカール貼り


これはもう「修行」と言っていい世界です。


製作途中のシート



  次に大変なのが大きなボディパーツ7個を組み立て済みの車体内部構造に貼り付けていく作業です。
パーツ精度が良いとは言ってもパーツの歪みや捻じれを強制的に押さえつけて貼っていく作業は結構大変です。

完成した車体内部構造


 最後の難関はクリアパーツです。
これもパーツ精度は完璧ですが、クリアパーツ自体に一部塗装が必要なことと、塗装済のボディパーツへの接着に神経を使うことです。
これも数との闘いです。

クリアパーツの塗装例


クリアパーツの塗装とマスキング



 ボディはミスターカラー68番のモンザレッドをそのまま使いました。
ロンドンで実際にこれに乗った方に確認したところ、この色でほぼOKとのことです。

乗合路線バスなので鏡面仕上げのようなピカピカでは不自然なので、クリア掛けのあとモデリングワックス磨いただけで済ませました。
また、屋根部分はあえて艶を落として紫外線と風雨で若干荒れた感じにしました。




完成写真を撮った後で運転席のワイパーを取付忘れていることに気付きました。
写真ではワイパー無しですが、今はちゃんと付いています。(笑)




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