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飛行機プラモデルの製作

  プラモ進化論 海外編:九七式軽爆撃機
 (PLANET MODEL, Pavla 1/72)

  by 松戸のタカ



 こんにちは、松戸のタカです
 しばらく間が空いてしまいました。仕事が忙しかったということもありますが『とっても手がかかり、やる気をそいでくれたモデル』でもありました。今回は九七式軽爆撃機というマイナーな機種で、しかも海外製品を取り上げてみました。
 PLANET MODELとPavla の両者ともチェコ製の製品です。 
私は箱を開けるまで、PLANET MODELが最初に販売されて後に発展改良型としてPavla製品となって販売されたものと勝手に思い込んでいました。ところがふたを開けると全く異なる製品であることに気がついたのでした。進化論と言うにはすこし適切ではないかもしれませんが、まあ知らなかったということでこのまま進めました。


 まずはPLANT MODEL
オークションで見かけたこのモデル。他に誰も入札しなかったのであっさり落札できました。要するに人気がないということなのでしょう。
 箱絵はペンで描いたような『手書き風』です。これはアヤシイ雰囲気プンプン。いつごろ発売されていたのかは知りませんが、新しいものでないことは確かです。

いかにも手書き!といった感じの箱絵です


 さて中身を取り出しました。おおなんじゃこれは!!!細かいパーツは樹脂の中に埋もれています。胴体や翼は一般的のモデルのようなランナーについているのでは無く、デンと樹脂がカタマリとなってくっついています。 まずはパーツのきりとりです。細かいパーツはあたかも遺跡の発掘作業をやっているような気分になってしまいます。胴体、翼はくっついている樹脂?を切り離すのに一苦労。カッターなどはびくともしません。結局リュータ−でガシガシ削り出し切り離しました


胴体は分厚い樹脂でつながっています

ここを切り離して平坦にするのに一苦労しました。
単なるプラスチックではないのでカッターなどではびくともしません

翼は中央の余計な樹脂を削り取るのが大変でした。
リューターが無ければ出来ないところでした。

ここから各パーツを “発掘”します

 パーツを切り離すだけの作業で結構くたびれました。ようやく切り分けて組んでみると、これが全く合いません。まあこれは予測していたことなのであまり気にしませんでした。ところが翼と胴体がなかなかはまりません。
削りながら組んでいると途中で『バキッ』とイヤな音。見てみると翼が裂けてしまい、おまけに一部は欠けて行方不明になっていました。あーあ、やっちまったよ、と放り投げ出したくなりました。それでも何とかごまかして組み上げます。

おお!ぱっくりと割れてパーツはどこかにいってしまいました


 カウリング上部にある空気取り入れ口パーツは紛失したので、なんと紙でつくりなおしました。オーバーサイズですが無いよりはマシです。胴体の前後席の間はガランドウになっているので塞ぎました〔これも紙です〕

エンジンをカウルに接着しますが中心がどうしても決められず、よく見ると中心線からずれてしまいました。翼は無理やり取り付けたため逆ガル翼の様になってしまいました。キャノピーは何だか幅が広すぎるようです

カウル上部には紙製の空気取り入れ口。
ガランドウのコクピットははがきを切り抜いて前後席の空間をふさぎました


とにかくどうにか形にしました。グレー一色の塗装だと、なんだかのっぺりしてしまうのでスミいれを少し強めにしてみました。結果として何だかボロい感じとなりましたが、なんだかこの機体にはボロい感じが似合うような気がします

でき上がってみると、まあ精密さ正確さには欠けると思いますが、そこそこ見られる印象です。おおらかな気持ちで細かいことを気にしなければ立派な九七式軽爆撃機です






あら探しをしてはいけません。遠くから眺めれば何となくいい感じ


 さて次はPavlaモデルです。こちらもチェコ製です。これもオークションで手に入れました。不人気機種らしく簡単に落札できました(というか新版が出ているので敢えてこちらを入手する理由がないのでしょう)


何だか期待を抱かせる生真面目な絵です(でも本物にこんな3色迷彩があったのかは少し疑問です。
せいぜい2色ではなかったのではあろうか??)


 Pavlaは多くのマイナー日本機を発売していたので、少なくともPLANETよりはたぶん新しく、たぶんマトモな製品であろうと期待して箱を開けました。

おお!一番驚いたのは垂直尾翼が別パーツになっていることです。普通は胴体と一体になっているのに、わざわざ別パーツにしてあるのには驚きました。細かいパーツはディテール云々のレベルでは無く、もっさりとして、お世辞にも精密とは言えないものです。

何でわざわざ垂直尾翼を別パーツにするかなあ?
ちなみに水平尾翼取り付け位置に空いている穴は私があけたもので本来は何もありません


 それでもPLANETよりはキレイな感じで、ランナーからもきちんと切り離せることが出来るし、少しは期待をしておりました。

 ところがいざ作り始めると、これもPLANET以上に合いが悪いです。しかも一般的な接着剤では接着できず、もっぱら瞬間接着剤のお世話になりました(これはPLANET社製も同じですが)。一番困ったのは各パーツを接着するガイドピンの類いが皆無であることでした。翼は最初からガイドはないと思っていましたが、脚パーツやキャノピー、尾輪などもどこに取り付けてよいのか全くわかりません。仕方がないので画像や図面などとにらめっこをして多分ここであろうと思われる部位に接着していきました。
  このモデルは機首部分が何だか異様なくらい長すぎるようですので、少し切り取りました。それでも未だ長すぎる感じですが、まあ良いやと思って妥協しました。ついでながらカウリングの位置決めも結構迷いました。
 
 さらに面倒なのはプロペラ。ブレードが三枚バラバラであり、オマケにプロペラハブは単なるプラスチックのカタマリの様な形です。そこでブレードに真鍮線を埋め込んでハブには穴を開けてやっとの思いで接着しました。プロペラブレードもバナナのような厚みがあり、本来ならば薄く削るべきなのでしょうが、もうどうでもいいや!という気分になりそのまま利用しております。


ハブとブレードそれぞれに真鍮線を埋め込んで、ハブに取り付け穴を開けてはめ込んで、どうにかプロペラはカタチになりました。一事が万事こんな調子で作業がのろのろと進みました


 この二つのモデルを作成するのは精神的に非常に苦労しました。何でこんなモデルに手を出してしまったのであろうか?などと後悔の念しきりで途中何度も放り投げ、完成まで半年ほどかかりました。完成といっても『とりあえず組み上げた』だけであり細かい修正などしておりません。排気管は煙突のようになってしまい、本来ならば是非作り直すべきところでしょうが、そこまで気力が持たずそのままにしております。よく見るとプロペラは中心からずれてしまい、アサッテの方向を向いております
せっかくなのでマダラ塗装にトライしました。昔のモデルアート誌にマスキングゾルを塗ってそのまま塗装した記事があるのを思い出し、真似をしてみました(単に面倒くさくなったからとも言えますが)


 まあそれでも完成してみると二つのモデルは細かいところを気にしなければそれなりに見られるようです。Pavlaモデルはエッチングパーツで複雑な形状をしているピトー管が再現されているのはありがたかったです。 国産メーカーではどこも出してくれていないキットという点では希少価値があります




とりあえず完成させました。あーくたびれた。


 とりあえず出来上がり、正直ホッとしました。幸か不幸か九七軽爆の資料はほとんど持っていないので「正確さ」という点ではほとんど気にする事がありませんでした。まあ出来の悪さは元のモデルの出来が悪いからだと責任転嫁する事にしました。
 そういえば最近はPavla製をリニューアルした九七軽爆モデルが販売されています。箱を開ける機会がありチラリと見させてもらったところ、おおまかなパーツ構成は変わらないようですが、
小物パーツは比較的シャープなものになっており、胴体側面の窓?もあらかじめ開口されており〔作成したモデルでは開口されておりません〕少しは期待できそうでした。これから九七軽爆を作成しようと考えている方は是非とも新しいモデルで作ることをお勧めします。
 本来ならばこの新モデルとPavla製を比較することが『進化論』になるはずでしたが、珍しい?海外製品比較ということで今回はご容赦くださいまし




正直、どちらのモデルがより優れているのかは私にはわかりませんでした


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