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(Photo) バレンタイン戦車

by  コルディッツ
博物館実機写真

 ウォーゲーマー兼赤軍司令官の高校生時代、そのネーミングの由来だけが気になった戦車です。総生産8,725輌は英国最大で、そのうち3,782輌は赤軍にギフトされて好評だったので、司令官はもっと関心を持つべきでした。
 バレンタインはヴィッカース社が自社製の巡航戦車Mk.Ⅱの車台を流用して製作した歩兵戦車です。車台から車重は16t以内にまとめ、歩兵戦車という役割から装甲厚は60mm以上という二つの制約があり、その両立のため砲塔は非効率な2人用、速度は前任のマチルダⅡ戦車並みとなりました。

 前任者と比較して目立つメリットは生産コスト低減で、設計がまとまったのは1938年2月、英陸軍省の量産承認が1939年4月と開戦前に準備完了しました。
そして最初の量産車誕生はダンケルクの直前、よって即大量発注が流れ込み、時機を得た幸運な戦車と言えるかと。(戦車兵にとっては兎も角)
 実戦デビューは1941年11月の北アフリカですが、榴弾を撃てない口径40mmの2ポンド砲では、さぞや英国戦車兵は切歯扼腕しだろうと想像します。
 その後3人用砲塔に替えたり、6ポンド砲に換装したりしますが、歩兵戦車の役割はチャーチル戦車に譲り、架橋戦車やアーチャー対戦車自走砲の車台として裏方を勤めました。



 巡航戦車Mk.Ⅱ(A10)
 戦車博物館(ボービントン)にて    2010年7月撮影
 バレンタインの車台はA10の物を流用しています。大型転輪1個と小型転輪2個で1ユニットになります。


  歩兵戦車Mk.Ⅲ バレンタインⅡ
 戦車博物館(ボービントン)にて    2010年7月撮影
 Ⅱは2ポンド砲と同軸機銃として7.92mmベサ機関銃を搭載。




 歩兵戦車Mk.Ⅲ バレンタインⅨ
 戦車博物館(ボービントン)にて    2010年7月撮影
 Ⅸは6ポンド砲を搭載、装甲が削られています。
 砂漠戦のため給油用のドラム缶?を左フェンダーに載せ、
後部にも小型缶を載せているのがポイントかと。






 歩兵戦車Mk.Ⅲ バレンタインⅨ
 戦車博物館(ソミュール)にて  2016年8月撮影
 2ポンド砲搭載と思いますが、型式表示はありませんでした。
 ドライバーは中央に座り、専用ハッチは左右両側にあります。


 車体右側のドライバーズ・ハッチから覗きました。










 バレンタイン架橋戦車
 戦車博物館(ボービントン)にて    2010年7月撮影
 バレンタインⅡの砲塔を撤去し、シザーズ式架橋と展開装置を
搭載。英軍はヨーロッパと東南アジアで、赤軍は東アジアで使用。


 アーチャー対戦車自走砲
 戦車博物館(ボービントン)にて    2010年7月撮影
 バレンタインの車台にオープントップの戦闘室を設置し、
17ポンド砲を後ろ向きに搭載しました。665輌生産。




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