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特集 NAVY

   スーパーホーネットF-18F (ハセガワ 1/72)

by 小川登至也




 今回製作したのはハセガワの1/72スーパーホーネットF型です。
小生、古今通じたアメリカ海軍機で最も好きなのが、このF/A-18Fスパホ通称”Rhino”(たぶんサイ)なんですよね。
ノースロップが手がけた、F-16との競争試作機として名高いYF-17、通称コブラに始まり、そのノースロップがマクダネルダグラス社に製作/開発権を売却しグラマンが艦上機としての艤装に手を貸し、そして現在はMD社を吸収したボーイングの機体になっているという、いうなればアメリカ航空界が成り行き上総力を結集して開発した機体なわけで、それを反映してかなかなか複雑な魅力のある外観だと個人的に思います。
まあ、ノースロップ社とMD社とのあいだでは法廷闘争まで勃発したり必ずしも楽しい話ばかりではなかったようですが・・・。
やや前傾姿勢に見えるボディと、LERX(前縁延長翼)やら双尾翼やらがヒラヒラとついた姿はなかなか精悍かつ華やかだと思います。
たとえるならキリッとした美女が、ティアラやら大きなピアスやらを着けたら意外と似合ってしまった、みたいな・・・。




 さて、ハセガワの1/72のなかでもこのF/A-18Fを含めた、現在も鋭意開発中のシリーズ、いわゆるE帯は、小生にとってとても魅力的なシリーズです。
タイフーンやSu35S、そしてF35などの新鋭機からランカスター、リベレーター、2式大艇などの大戦時の多発機までをそろえた雑多な機種構成ながら、キットの内容はどれも繊細かつ精悍ですばらしく、組み立てていてとても充実感が得られます。
 このF/A-18Fに限って言うと、やはり面構成の複雑さからか、エアインテークや胴体下面が分割されていて、ちょっと油断するとたちまちずれて組みあがってしまうという、スリリングな面を持っているのは、このシリーズのF14トムキャットを組み立てたことのある方ならお分かりいただけるかと思います。
それでも慎重に仮組みやすり合わせを行えば、ライノの精悍な外観が精密に再現されていて、やはり、さすがハセガワ、この手の機体を、特に1/72で製品化させたら当代随一のメーカーだとうならされます。




 今回がんばったところは特にありません、というか全部です。
まず、キャノピーが割れていました。最初からか、あるいは箱から出し入れしてニヤニヤしている間に割れてしまったのか定かではありませんが、Ω型断面キャノピーをスライド金型で成型してあるというすばらしさの裏返しとして結構肉薄だったのかもしれません。
部品請求をしようとしたのですが、「450円」・・・。キャノピーだけで・・・、
うーん高い、Ωスライド成型だからしかたないですが、貧乏モデラーの小生、あきらめてしまいました。
で、接着剤でくっつけ、磨きこんで対処したのですが、やはり跡は残ってしまいました。
まるでキャノピーブレーカーみたいな上面になってしまい、皆様のご高覧に浴する資格があるか悩みましたが、「まあ編集長が判断してくださるだろう」と開き直り、製作記を送付することにしました。




 このキットはVFA-102ダイヤモンドバックス2005年(舞台創設50周年記念)時のCAG機のカラーがカルトグラフ製の大判デカールで入っており、それで元のキットからわずか200円のアップで販売されていたのは、非常にお買い得だと思います。
ただ、だいぶ放って置いたためか、デカールの糊成分が少なくなっており、貼るのに苦労しました。それにしても頑丈なデカールで、マークソフターをこれでもかと塗りこんでも、モールドに馴染みにくく、最後はなんとラッカー系溶剤を塗布して無理やり軟らかくしました。
しかし発色は、さすがカルトグラフ!!
小生が厚木の基地祭のときに見に行った色がそのまま再現されているといっても過言ではありません。
2005年といいながら、小生は2006年以降のCAG機のカラーが好きなので、これも無理やりそのカラーリング仕様にしてしまいました。
だから、「50周年」と書いたデカールであるにもかかわらず仕様が2006年以降、という変なカラーリングになっています。




 それにしてもライノのダイヤモンドバックス仕様は本当に美しい。
たとえるならティアラに大きなルビーがあしらわれている、といった趣です。
ちなみに、小生、アメリカ海兵隊の機体で最も好きなのがAV-8BハリアーⅡです。
今のアメリカ海軍、海兵隊は、小生にとって、残り少ないファイネストアワーなんでしょうね。



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