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特集 1/72 ファイター

  疾風 (タミヤ 1/72)

  by 加藤 寛之




 タミヤがフェアで販売した袋入りの白い72疾風のキットを友人からいただいたので、それを作ってみた。もう何回も作ってはいるのだが、今回も新鮮な気持ちだ。  とは言いながら、3点だけ改善する。(1)カウリングを短縮する (2)主翼前縁付根にあるタイヤのふくらみを削る (3)風防を小さく見せる これをする。




 まず、パーツの整形。バリを取り、押し出しピン跡や金型の境目をきれいにする。まあ、大した手間ではない。もともと精度は高くないから、整形してもパーツの合いは良くない。でも大丈夫、ちゃんとできることは分っている。

 まず、主翼上下を接着。組図では主脚をいれておくことになっているが、これは後で考える。続いて胴体左右を接着。位置調整をしながら、上面重視でなるべく左右が合うところを見つけて固定する。コックピットのパーツはない。水平尾翼も上下分割だから、これも接着。落下タンクのパーツも左右を接着。これで乾燥させ、荒く整形しておく。




 ここでカウリングの短縮をする。幅広のノコで真っ二つに切断、ノコの厚みと整形の分で短縮完了。
接着して跡を整形する方法は、
a:まずプラ用接着剤でつけて位置決め
b:瞬間接着剤を多めに流し固まらないうちに紙ヤスリでガリガリ 
c:ゴミがパテのように隙間を埋めて固まる
d:これを3回くらいすると、ほぼ整形OK
e:溶かしたパテで薄く上塗り 
f:仕上げ整形 
で、完了。
 胴体と主翼を組みつける。まず、前端と後端を瞬間接着剤で胴体と固定。その後に上反角をつけて主翼上面とフィレットのところを瞬間接着剤で固定。下面のフラップを接着して補強を兼ねさせる。するとフラップの胴体側に段差ができる。これは胴体側の形が実機と違っていることが原因だから、胴体側に窪ませる感じで整形する。この作業の後で水平尾翼を付けると、作業の邪魔にならない。次に前縁付根にあるタイヤ収納の膨らみをなくす。カッターや彫刻刀で大雑把に落とし、紙ヤスリで整形する。うっかりすると穴が開くので、“まあ、いいか”くらいでやめておく。




 これで形になった。ここで、胴体の前や上から筆を突っ込んで黒く塗っておく。実機は黒じゃないだろうが、模型としてカッコいいので黒にする。余りパーツから探しておいた椅子をのせる。照準器らしきものを作ってのせる。
風防は塗装前に接着した。現代のキットと違い胴体と隙間があるので、無理のない範囲で風防や胴体を削って隙間を減らす。残った隙間には水性ボンドを流して埋めておく。風防後ろに立つアンテナ柱の位置を、風防直後に移動。既存の穴に伸ばしランナーを挿して瞬間接着剤を流しすぐに削る。詰まったゴミがパテ代わりになって、アッと言う間に埋まる。その後で穴を開け直す。
 カウリングも、ここで胴体と接着しておく。風防前の黒塗りに便利だから。
 主脚の取付け方法を考えたが、可動だった時代の軸を短縮して滑り込ませればOKだったので、これは塗装後に付けることにする。タイヤは指定と裏返しにして接着した。




 さて、塗装。いつものようにGSIクレオスMr.カラーで塗る。上面は304番「オリーブドラブFS34087」。この色は、光によって緑にも茶色にも見える。下面は128番「灰緑色」。実機は上面色を白で薄めたような色だそうで、そこはいい感じ。でも72で使うには暗すぎるが、まあ、いいや。プロペラは122番「RLM82ライトグリーン」。 塗った後に、少々の汚しや軽い墨入れ、塗装剥れ表現の銀塗りをしている。細部色はテキトウ。塗り位置も、キットの形やパネルラインを尊重している。風防は大きすぎを誤魔化すために、底部のワクを幅広く塗ってみた。デカールは付属していないので、余っているものから日の丸探して貼っておいた。赤と白の刷りの中心がずれているが、まあ、いいや。




 完成。開封からときどき作って一週間。
日の丸だけで機番も帯もないが、気にならない。
古いキットだから、似ていないとかの意見はあるにしても、模型としての魅力は充分。上質な製品と並べて飾っても遜色ないと思う(のは、私だけか)。


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