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零式小型水偵 (フジミ 1/72)
by
小川登至也
今回、フジミの特集ということで、1/72零式小型水偵を制作しました。
この零式小型水偵なる飛行機、小生はまったく知らず、インストとネットの記事などが情報源となりました。
高荷画伯のかっこいい箱絵もさることながら、昭和17年5月にアメリカオレゴン州に爆弾を投下したのがもっとも目立った作戦行動であった旨、インストに記載がありました。
昭和17年5月といえば、ドリトル先生ならぬドリトル中佐の東京初空襲から1ヶ月ほど。
ひょっとしたらこれは報復攻撃の意味合いが強い作戦だったのではないかとかんぐっています。
また、インストを見ると天風エンジンを搭載していたそうで…。
天風エンジンといえば小生、赤とんぼくらいしか馴染みがないのですが、まさか天風を積んだ実戦機があるとは思いませんでした。
なんともほのぼのとした飛行機ですな、あだ名は金魚だそうですが、こんな飛行機でアメリカ上空を飛んだ海軍飛行士たち、そしてこの飛行機を載せて航海した潜水艦クルーたちの気持ちはいかなるものだったでしょうか…
さて、フジミのこのキット、結論から先に申しますと、傑作キットです。
ネットなどでよく作例をお見かけするので結構皆さん制作されているようですが、その理由が今回組み立ててみてよくわかりました。
小生の印象では、フジミのキットというと大戦機よりジェット軍用機のほうが好キットが多い、と思っていましたが、このキットを組み立てていてその印象もいささか修正の必要あり、と感じられました。
そう、出来を比較するならフジミのF/A-18Aホーネット,もしくはA-4Mスカイホークに匹敵するもので、適度なディテールと合いの良さなど、小さくても充実感は本物、そんなキットでした。
それにしても、フジミの飛行機キットは、リリースがかなり不定期感が強く、もう少しコンスタントに出してくれればなあ、と強く思うメーカーです。それだけ期待度も高いということでしょうかね。
今回の作例で、がんばったところは、
・排気管の穴あけ
・エンジンプラグコードの追加
・インチキディテールをフロート脚付け根に追加
・アンテナ線の追加
などです。
失敗したところは
・接着線の消し忘れ(なんとも申し訳ありません…基礎中の基礎なのに)
・デカールの劣化により日の丸が雑な手塗りになってしまった。
などです。
・排気管の穴あけについては、この機体は集合排気管なので、1/72といっても難易度はそれほど高くはないといえるでしょう。リューターでホイホイ開口。
・エンジンプラグコードの追加については、2017年9月号の本誌のF6Fヘルキャットの記事でも書きましたがポリキャップなどのPVCで伸ばしランナーをつくり、それを取り付けました。作例ではほとんど目立たないのでちょっと残念ですが、我ながらこのPVC伸ばしランナーによって空冷レシプロエンジンの機体のキットにはすべてプラグコードをつけたくなってしまいます。
・フロート脚付け根のインチキなディテールについては、記述するまでもないと思います。インチキ過ぎて詳しく申し上げるほどのものではありません。ただ伸ばしランナーで適当に追加しただけ、なんて、読者諸兄のお叱りを覚悟するようなシロモノです。
・アンテナ線は、これも伸ばしランナーです。ほんの少し精密感が増す気がします。
こんかい、はなはだ失礼ながらけっこうやっつけで組み立ててしまったのですが、キットの出来に救われた気がします。読者諸兄にとってはまだまだな作例かもしれませんが、ご容赦の目でごらんいただければ幸甚です。
また、いつもながら田口編集長はじめWebモデラーズスタッフの皆様のご苦労、お察し申し上げます。でもおかげでいつも楽しく拝見しております。ぜひがんばってください。
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