光人社NF文庫には、佐貫亦男氏の「ヒコーキの心」シリーズ3巻と「飛べヒコーキ」シリーズ3巻があって、この中の「続・飛べヒコーキ」に、三菱一三式艦上攻撃機が載っている。「続・飛べヒコーキ」の記事には一三式艦攻の色についての記述があって、「・・・私はあの濃緑の羽布塗装が大好きであった」「一三艦攻にはアルミニウム塗料の銀色塗装もあったが、どうも濃緑の機体がいつまでもイメージにある」とある。佐貫氏はこの時代のヒコーキをその眼でみている人だ。
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あらためて掲載の彩色絵葉書を見てもらいたい。もともと天然色でなくて彩色であるし、刷ってから100年も経過しているし、Webモデラーズ掲載にあたりスキャンしたりそれを画像で掲載したりするので細かい議論はできないが、どう見ても茶色系に見える。同時期の機体の色として掲載したものに濃淡の差はあるが、どれも茶色系に見える。足元の草は明るい緑になっているから、退色などではなく、最初から茶色系だろうとしか思えない。『航空ファン』1974年7月号の投稿欄「超音クラブ」に「十式艦雷のキット」という記事があり、そこに「当時の絵葉書では「茶色」に着色されていて、その色はかなり近い色なのだそうです。茶色といってもオリーブドラブ系に近い茶色のようですが「暗緑色」では絶対にないのだそうです」とある。 |