1941年6月にソビエトに侵攻したドイツ軍は、想定外の強力なT-34やKV-1などの赤軍戦車と遭遇します。急遽、対戦車自走砲の配備が必要になったドイツ軍は、旧式化又は捕獲した戦車や車輌を改造し、対戦車砲を搭載して対処します。このうちⅡ号戦車をベースにした対戦車自走砲は「マルダーⅡ」と呼ばれ、車台と搭載砲の違いで二種類ありました。
一つは先に生産されたマルダーⅡで、Ⅱ号戦車D型を車台に、捕獲した赤軍の
76.2mm野砲F-22を独軍仕様に改修して搭載しています。制式名称は
「7.62cm Pak36(r)搭載Ⅱ号戦車車台」、制式番号Sd.kfz.131でした。
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後発のマルダーⅡは、F型を車台にラインメタル社製造の7.5cm対戦車砲を搭載、制式名称「7.5cm Pak40/2搭載Ⅱ号戦車車台」、制式番号Sd.kfz.131となり、このため前代のマルダーⅡはSd.kfz.132に変更されています。
どちらも急場しのぎに作られたとは言え、7.5cm対戦車砲搭載型のマルダーは、車高は低く完成度の高いデザインになっています。
ドイツのジンスハイムにある技術博物館とスウェーデンのアーセナル戦車博物館で7.5cm対戦車砲搭載型を拝観していますが、昨年のPCダウン後にSDカードの確認をした所、ジンスハイムとムンスター戦車博物館のデーターが読み出し不能になっていました! そうなる前に公開しておけば良かったという後悔から、今回はスウェーデンで展示中のマルダーⅡをご紹介します。 |