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飛行機プラモデルの製作

 ジェネラルダイナミクスF‐102 デルタダガー
(ハセガワ 1/72)

  by 加藤 寛之




 速いことはイイことだ、という開発競争の時代にエリアルールをとりいれて音速をこえることができた邀撃戦闘機。SAGEという警戒防空システムのための飛行機で、接敵から攻撃まで地上司令で自動化されているのだという。つまり、ベアみたいな爆撃機がブ~ンと飛んできたらゴ~~と飛び上がって超音速でビューンと接近、そしてミサイルをババーンと発射する、という構想。いうなれば、超長距離地対空ミサイルの1段め、という飛行機。
 1969年発売のキットらしい。我が家の在庫プラモのなかあったのだが、いつ・どこで入手したのか記憶にない。ようやく、作る気持ちになった。
 ハセガワが急速に品質を上げていた時代のキットで、“やってやるぞ!”という勢いが感じられる好製品。古い金型のキットだとはいえ模型的な量感は素晴らしく、組んでいてとても気持ちがよい製品といえる。このキットはミサイルを露出して組むことが基本なので、閉じた状態では扉がガタガタになる。私はミサイル扉を閉めて組むので、これに多少の手間がかかるのを承知すれば良い。




 そうなると、胴体に組み込むものは前脚庫を兼ねた床と計器盤の2点。見えなくなる計器盤は付けないことにし、床のみ組み込んで左右胴体を接着する。垂直安定板部分に生じる大きな隙間は、荒削り+瞬間接着剤で削りカスごと固める、を3回繰り返せばほぼ埋まる。胴体側面に付けるエアインテークや尾部の整形パーツは、いずれも軽く削る程度で難なく付く。機首のレドームに錘をいれ、胴体前端に接着する。レドームはよく見ると左右対称でなく胴体との流れにも難があるが、どちらも言わねばわからない程度。尾部の排気管は、塗装後に挿入できる便利な構造になっている。
 主翼は、主翼だけで組んでおいて胴体に装着した。私が組んだ製品は、左翼が下に向かって変形していた。これは前縁にノコを2か所いれ、そこにプラ板を強引に差し込んで上向きに曲げて矯正した。不十分とはいえ、気にならない程度にまで改善した。主翼と胴体との隙間は、軽い調整だけで問題ない程度になった。




 ミサイル庫の扉は、側面から下面に向かって組み進めた。思ったとおり、真ん中と後部に大きな隙間が生じた。これは伸ばしランナーで大雑把に埋め、パテを使って軽く整形した。ここは主翼の下になって見えない場所なので、大雑把でOKとした。
 脚関係は半世紀前の製品なので、現代のキットとは差がある。それは分っていることなので、まあ、いい。接着はしっかりとできるので、安心だ。
風防は少々傷があったので、そこに黒を塗ってごまかした。




 塗装は、いつものように手抜き。その辺りにあった水色で塗ったけれども、やや濃すぎたか。まあ、いいや。機首上面とレドームは、前者は艶消し黒で、後者がツヤあり黒の指定。面倒なので全部艶消し黒で塗ってオシマイにした。実機の感じと違うなと思ったが、どちらも黒なんだから、これでもまあイイや。細部もそれなりに塗る。

 問題は劣化しているデカール。強化フィルムを塗布して貼ったが、それでも一部は分解した。何とかごまかして貼り補修塗装をしたが、デカール周辺がスッキリしないのはお許しいただきたい。加えて版ズレで白フチがあるかのようになっているが、これもお許しいただきたい。まあ、そんなことを気にしているのは、全世界で私だけだろうから、完成するならばどうでもいいのだ。




・・・で、完成する。
太い胴体、大きな三角翼、そして真っ青。ン~~~ん、カッコいいな。完成すれば、古いキットだって立派なのだよ。
ところでこの主翼、先端がちょっと下向きになっている。おそらくこれが水平尾翼の機能をする部分。前縁が下に曲がっているのは、揚力をかせぐためだろうか。垂直尾翼まで三角形なのは、その方がカッコイイからだろう。


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