Home  > Yak-17UTI (Aモデル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2018年4月号

飛行機プラモデルの製作

 Yak-17UTI (Aモデル 1/72)

  by 加藤 寛之





 ジェットエンジンが「使えそう」になったとき、現用機から翼の流用を考えた人は何人もいる。でも、「胴体も使おう」と考えたのはヤコブレフ・チームくらいだろう。機首にある水冷レシプロエンジンをジェットエンジンに置き換えたのだから、頭が柔らかい。敗戦国ドイツのエンジンを国産化、それをYak戦闘機の機首に付けた、これが尾輪式のYak-15になった。その改良型を複座練習機にしたのがYak-17UTI。
 キットのメーカーは、Aモデル。いつものようになかなかキビシイ出来で、この精度ではありえない凝った部品分割とあいまって、ガタガタ・ボロボロ。型の合わせ目から漏出したプラ材は全てのパーツに付いているから、パーツ数のわりに組み立ての手間と時間がかかり、プラモデルを組み立てる楽しみはタップリと味わえる(そう思える人でないと完成しない)。




 では、組み順にそって解説。
 組図1は、コックピット。構成を見ると、床板だけ胴体に入れればよさそうだ。これに椅子だけ付ければよいだろう。他のパーツはどうせ見えないので、省略する。
 組図2は、エンジン。この精度でちゃんと組み込めるとは思えないし、エンジン本体はどこからも見えない。錘をいれるのにも邪魔だ。よって、前後のフタ的なパーツを胴体に接着するだけにする。
 組図3は、上記1と2を組み込んだ胴体左右を接着する工程。2でエンジンを入れなかったので、錘を入れる場所は充分にある。左右胴体パーツは接着面を整えれば、「それなりに」合う。エンジン尾部パーツも胴体に付ける。このパーツは周辺とだいぶ合わない。下面で見えないからテキトウな整形でOKにする。ここで組図6にある胴体下面も接着して整形しておく。垂直尾翼は厚すぎるが、改善は大工事になる。当然、そのまま。




 組図4は、主翼を組み立て、これと尾翼を胴体に接着する工程。まず主翼の下面側。下面内翼を別パーツにして脚庫を造っているけれども、もちろんガタガタで接着不可能。接着面をガリガリと削って平らにし、接着できるパーツにする。それなりに外翼と高さを合わせるがムリで隙間もできる。表面をガリガリ削ると隙間や段差に詰まるので、そこへ瞬間接着剤を流し込み、またガリガリ。3回やると最小限のパテでOKくらいに整形できる。パネルラインはもちろん消えるので、彫り込む。
次は上面。これもヘロヘロ。全面を削る。後縁がダルく膨れているので、表面をガリガリと削って、それなりにする。意外にも、水平尾翼は外周を整形すればOK。これら主翼組みや水平尾翼を胴体に接着する。もちろん、接着面の整形は欠かせない。
理屈から言えば、これでヒコウキの形になる。私はヒコウキの形になったが、何人がここまで来られるのだろうか。




 組図5は、風防とアンテナ柱、ピトー管の接着。実際には塗装後の最終工程にした。ここで、風防は驚くほど胴体と合ったと書いておきたい。前部に多少の隙間と、後部の寸法が僅かに足らなかっただけ。これなら上出来だ。
 組図6は、すでに接着した胴体下面と、フラップ接着の工程。フラップは開閉を選んで接着する。もちろん、整合を気にしなくて済む「開」で組む。フラップは内部構造などがないタダの板だが、本当だろうか。
 組図7は、脚関係の工程。脚柱はモニョモニョしているが、充分に使える。タイヤも使える。組んでみたら右側が高かったので、タイヤの底をちょっと切ってまあまあにした。
組み工程は、ここまで。




  次は、塗装。指定はポーランドとソ連の2種あるが、どちらも銀色の単純な一色。だから、説明することはない。塗ってオワリ。
今回はソ連のマークにする。赤星のデカールは周りの余分なフィルムがやたらと広いし、赤の色もボケている。そこで、昔、フジミが別売りしたロシア機用マークから使った。ちょっと赤星が小さいのだけれども、3日もすれば慣れる。
 これで完成。文章を読むだけだと超イイカゲンに組んでいそうだが、この類のキットを組んだ経験がある方ならば、掲載写真を見れば「そんなにイイカゲンではない」と分ってもらえると思う。だって、普通に見えるでしょ?


  Home>Yak-17UTI (Aモデル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2018年4月号

Vol.116 2018 April .   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」
 

プラモデル模型製作記事

TOTAL PAGE