Home  > 零式艦上戦闘機五二型 (タミヤ VS ファインモールド 1/72) > 飛行機プラモデル製作>2018年4月号

特集 ライバル登場

  零式艦上戦闘機五二型 
(タミヤ VS ファインモールド 1/72)

  by 松戸のタカ




こんにちは松戸のタカです

実はこれは二年ほど前に作成したものです。このころモデルアートの「ライバル登場」にならってwebmodelersで記事にしてもらいたいと思って作成したものです。




で、タミヤとファインモールドの零戦五二型を作ってみました。ご存知のようにファインモールドは「雑誌の付録」という形で販売されたもので現在では市場に出回っていません。しかしオークションではけっこう手ごろな価格で入手することが可能です。 このモデルはファインモールド(以後F社とします)が先行し、数年後にタミヤ(以後T社とします)が出したものです。気のせいかもしれませんがT社はF社を意識して作られたのでは無かろうかと思ってしまいます

どちらのモデルも全く甲乙つけがたいモデルです
あらゆる部分にこまやかな神経が行き届いていて「さすがだなあ」と感服するばかりです


(上F社、下T社)パネルラインは両社とも美しいです。
カチッとした印象のT社。柔らかいラインのF社といったところでしょうか?


 コクピットはどちらもあきれるほど良くできています。おもしろいことにF社は機器類を別パーツにしているのに対しT社はモールドの一環で表現している機器類が多いようです。 ただF社はせっかくの別パーツであるレバーがやたら太かったりします。

F社 座席右脇の座高調整レバーはちょっと太すぎるかなあ。
写真はありませんがT社は、細いです


F社は殆ど見えなくなる部分までも表現しています。T社は見えないところは省略するというふうに合理的?なつくりをしております。T社はけっこう目に付くA.M.C(自動混合比制御装置)がちゃんとパーツ化されているのにF社はなぜかありません。 また照準器もT社の方が手が込んでます(画像がありませんが)
でもどちらもすごいです


左F社 右T社


左F社 右T社 座席の軽め穴は自分で開けたものです。T社はデカールでシートベルトが再現されています。F社はありません(オプションパーツなどを購入するか自作しろと言うことでしょうね(座席左側の機器類はF社では胴体側に接着するようになっているので、ここには写っておりません)


胴体パーツを見ると微妙に異なりますが、どちらも素晴らしい。ここもタミヤの真髄発揮。「見えるところは徹底的にやる」のです。胴体左機銃下になにやら棒があります。 なんだろこれは?と調べてみたら「プロペラ調速機用の操作ロッド」とのことです。うへー!こんな存在、今の今まで知りませんでした。


円の中にあるのが「プロペラ調速機用の操作ロッド」初めて知りました!


 さてエンジンです。どちらもシャープな作り。しかしここでも両社の特徴が浮き彫りになります。F社は吸気管が再現されていますが、一部手抜き?で届くべきシリンダーに届かなかったりします。まあこれは「自分で作れ」ということなのですね。さらに排気管を接着するのですが、これも微妙に調整しながら接着せねばなりません。でもでき上がるとなんとも言えない満足感があります。ただシリンダー上にカウリングを乗せるための妙な「出っ張り」があったりします。
 一方、T社は吸気管などはありません。存在しなくても気にしないというスタンスなのでしょう。また排気管に関してはエンジンには直接接続せず、全く別パーツとなっています。その分指示に従えばカチッとはめ込むことが出来ます。エンジンを見せないのであれば、こちらの方が簡単で間違いないです。


F社:シリンダーに吸気管と排気管を接着しますが、微妙な位置合わせが必要です


T社:エンジンはシリンダーのみでシンプル。排気管はエンジンの隔壁?に接着するようになっておりシリンダーとは接触しません。ただ一発でキチッとはまります


F社のエンジンにはカウリングパーツを固定するために「出っ張り」があったりします


上T社 下F社



上T社 下F社 :T社はモールドで表現されているパーツが少なくないのに対しF社は別パーツが多いです。一方F社は目に付くA.M.C(自動混合比制御装置)が無かったりします
(T社で上縁から少しは見出している部品がそれです) まあ足りない部品は自分で作ればいいのですがね


左T社 右F社 F社のシートベルトは社外品です


T社 きちっとすっきりまとめられています 


F社 なんだかごちゃごちゃしてカッコいい


左T社 右F社


あと気がついたのは胴体側の脚カバーですが、T社は内側のアームが再現されていますがF社はありません。


T社では太いですが一応アームが表現されています


ちなみに本ものはこんなに細いです(靖国神社に展示されている零戦より)

さて組み上げて完成させると…
まあどちらも素晴らしい!
私ごときには勿体ないくらいの素晴らしいモデルです


左T社 右F社


 まあ特徴を一言で言うと「見えるところはやる。見えないところは省略する」のT社。「見えないところまで手を加えるF社。でもところどころ漏れもある」といったところでしょうか?まあF社にしても足りないところは自分で作ればいいのだし、手を加えたら両社は全く差がつかなくなってしまいます。
 実際、チラリと眺めたときなどはどちらがどちらのメーカー製なのかわからなくなったりするくらい良くできていると思います


F社 フラップが開閉状態のいずれかを選べます


T社 いやどちらも素晴らしいなあ


T社 ちらりとみえる「プロペラ調速機用の操作ロッド」がヲタク心を刺激します

 そのまま組むならT社、少し手を加えたくなるのがF社といったところでしょうか?
あとは個人の好みなのですが、私個人的には「手を入れる余地が比較的ある」F社が好みです
 それにしても「ライバル登場」をwebmodelersでシリーズ化してもらおうかと思って色々プラモを買い込んだのですが、なかなか実行できずにいるままです


靖国神社に展示されている復元零戦。都内に住んでいると気軽にリアル零戦を見に行けるのでありがたいです)


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