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連載 旧タミヤ1/72 日本戦闘機シリーズNo.3
陸軍二式戦闘機 鍾馗 (タミヤ 1/72)
by
田口博通 Hiromichi Taguchi
タミヤから1960年代に発売されていた72日本戦闘機シリーズのうち、今月登場のショウキは、1964年7月発売で、現在は残念ながら絶版です。発売当初は、モーターライズでしたが、後期版では廃止されています。
上の1970年4月発売の後期パッケージ版は小松崎画伯によるもので、B-29迎撃に上がる第47戦隊・震天制空隊のショウキが搭乗員と共に悲壮感たっぷりに描かれています。ご存じのように震天制空隊は体当たりを主戦法としていましたので、無事な帰還はまず望み薄でした。
デカールは3種入っていますので、箱絵の震天制空隊でなく、第85戦隊斉藤少佐機としてみました。第85戦隊は広東でP-51などと激しい戦闘を繰り返し、またたくまに消耗した戦隊です。
説明書の塗装図では 上面が緑色と茶色のまだら塗装、下面が水色とされていますが、下面は陸軍の灰緑色としました。
完成すると、胴体と翼はバランスが取れて、スタイル良く 見直しました。脚の造形に稚拙な印象が残りますが、1960年代昭和のプラモデルとしては及第点ではないでしょうか。
また、キャノピーがいい感じです。後発のハセガワのキャノピーが丸かったので、タミヤは良い雰囲気を出していると思います。
下は主要パーツで、脚と蝶型フラップが可動になっています。主脚と脚カバーは一体。フラップの可動方式が実機とは違い、単純フラップになっています。
コクピットにシートは無く、泊まり木にパイロットが接着されるスタイルで、フラップ部まで素通しです。ここはおおらかな気持ちで作ってあげましょう。
表面ディテールはこのシリーズ共通で凹パネルラインと凸リベットが混在した詳細なモールドです。このせっかくのディテールをつぶさないで作りたい所です。
デカール
全パーツ
製作
胴体、主翼ともすりあわせは今ひとつなので、かまぼこ板に貼ったやすりで整形しながら作りました。胴体と主翼の接着部の隙間はパテ埋めします。上半角をしっかりと付けて、瞬間接着剤でがっちりと固めれば、基本形は完成です。
下面翼後部の隙間はパテで埋めます。つながりが今一つなので、曲面を意識しながら整形します。
塗装
下面をMrカラーNo.128灰緑色、上面をNo.16濃緑色とNo.131赤褐色での塗り分けで面相筆で筆塗しています。
マーキングはGX5スージーブルーを使うので、テープでマスキングして艶消し白で下塗りをしておきます。
ブルーはばっちりと発色しました。
デカールは糊が劣化しているので熱湯で強引に台紙から剥がし使いました。
マーキング後、艶消しクリアを吹いて塗装完了です。
キットにはシートは無く、パイロットは止まり木に搭乗します。脚カバー断面が厚いですが、ここを削ってしまうと強度が足りなくなるので、そのままにしてあります。
主翼機銃はしんちゅうパイプで自作、ピトー管、アンテナも金属線で自作し シャープにしてみました。プロペラは裏面を薄く削り、ブレードの形を整えました。
完成
筆塗の色の境に少しガタが残ってしまい、まるで昭和40年代プラモデルの雰囲気となってしまいました。
もっと頭でっかちを想像していましたが、完成すると、さすがタミヤで綺麗なスタイルです。
これで鍾馗 完成です。
シリーズは並べる楽しみがありますね。
来月は疾風を作ります。
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