メッサーシュミットBf109は第2次大戦のドイツ空軍を代表する戦闘機であり、中でもE型はポーランド、オランダ、ベルギー、フランス侵攻等、開戦当初の主力としてめざましい活躍を見せた。そして、1940年7月から始まるバトル・オブ・ブリテン(英本土防衛戦)において英国機と壮烈な空中戦を繰り広げ、ホーカー・ハリケーンやスピットファイア相手に互角以上の戦果を挙げながらも、最後はその短い航続距離に泣いた。
今さら言うまでもない超有名機だけあって、試作V型から主力のE、F、G型、そして最終計画のツバイリングZ型まで、Bf109は大小さまざまなスケールでキット化されているが、今回は1/72のE型のうち、比較的入手しやすい国産のハセガワE-3と輸入品のエアフィックスE-4を採りあげてみた。 |
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総評 エアフィックスのキットは同社が新機軸で開発した製品群のひとつであり、シャープなモールドと正確な造型で話題となった。1/48譲りの濃密なパーツ構成で価格も安いが、部品の整合はあまり良くなく、組み立て前に各部の慎重なすり合わせが必要である。また、実機の特徴である主翼上半角が不足しており、これは完成時の迫力をかなり削いでいる。一方のハセガワのキットはやや古い製品で、発売当時は繊細な凹モールドで評価されたものの、今日の目で見れば機首が丸く、垂直尾翼も小さいために、本機の精悍なイメージを損ねている。以上から、今回のライバル対戦は、それぞれの長所短所を踏まえたうえで製作することを前提として、両者五分の引き分けとしたい(以下、エアフィックス=A社、ハセガワ=H社)。 |