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 航空自衛隊 F-35A
(童友社 1/72)

by口博通 Hiromichi Taguchi
 



 童友社から 航空自衛隊に配備され始めた最新鋭ステルス戦闘機 F-35A の1/72プラモデルが発売されたので さっそく作ってみました。
ポイントは自衛隊マーキングのデカールで、塗装では手間のかかるあのギザギザコーティング部分のデカールも全て入っているので、ごく簡単に最新鋭機F-35Aが完成しました。
プラスチック部品は艶消しステルスグレー、ホワイト、ブラック、グレーの4色で成型されており、無塗装でも それなりの完成度で仕上がるような設計になっていることから、今回は胴体や脚庫など無塗装で作ってみました。




 箱絵は三沢配備前のAX-6(79-8706)の飛行写真となっています。
今回は機番を7から8に1文字だけデカールを張り替えて、自衛隊に領収され三沢配備後の6号機(89-8706)として作ってみました。
6号機(89-8706)の写真は航空情報2018年4月号に豊富に掲載されているので、ご参考に。

箱絵   



 付属の航空自衛隊機のデカールには1号機から 今後配備される機のナンバーのマーキングまで付属しているのが気が利いています。 また、国籍マークとコーションだけでなく、各部のコーティング部分のデカールも全て含まれていて、デカールを貼るだけで完成できるのも特筆されます。

航空自衛隊機のデカール



 プラスチック部品は韓国製で ステルスグレー、ホワイト、ブラック、グレーの4色で成型されており、無塗装でも それなりの完成品に仕上がるように配慮されています。 下はそのプラスチック部品で 胴体と主翼はステルスグレー色で一体成型されています。エアインテーク、脚庫、爆弾倉、脚柱、タイヤホイール、はホワイト。
タイヤ、コクピットとシートはブラックで成型されています。


胴体上部品

胴体下部品
爆弾倉、脚庫、エアインテーク、タイヤホイール

コクピット、タイヤ、ジェットノズル、 武装部品

組み立て

コクピット
 計器はデカールで用意されています。
サイドコンソールはデカールを貼った後で、操縦スティックなどの小部品を接着します。
今回は搭乗させませんでしたが、HMDを頭に装備したパイロットが付属しています。

胴体と主翼
 胴体と主翼はステルスグレーの一体成型になっているので 組み立ては簡単ですぐ形になります。
胴体下部にホワイトで成型された爆弾倉、脚庫を組み込みます。
胴体上部にエアインテーク部品を組み込みます。
 コクピットを胴体下部にセットし、胴体上下を合わせて速乾性流し込み接着剤で接着すれば、胴体と主翼部は完成です。
 ここで、組み立て説明書の順とは違いますが、水平尾翼と垂直尾翼も取り付けて、飛行機の形にしてしまいます。



塗装
 組み立て説明書には詳細な塗装説明図とデカール貼り付け図が付属しています。
 今回は機体全面を塗装せずに、ステルスグレーのプラスチック地色をそのまま生かしてみました。
 また、脚庫、脚柱、ホイール、タイヤも各プラスチック地色を生かし無塗装です。
 
 塗装した個所は デカールでは処理しにくい各翼前縁と水平尾翼後縁、レドーム、キャノピーで、テープでマスキングし、MrカラーNo317 (グレーFS36231)で塗装しました。

 その他、シートクッションをオリーブドラブ、脚柱オレオをシルバー、ジェットノズルは金を混ぜた黒鉄色で 塗装個所はこれだけです。
 デカールは多いので説明書をよくみながら丁寧に貼って行きます。
背中などの大きなデカールは切って分割しておくと貼りやすくなります。糊が弱めなので、Mrマークセッターやタミヤの「デカールのり」で補強すると良いでしょう。貼った後は、Mrマークソフターでしっかりと密着させて浮きをなくしておきます。

デカール保護と全体の艶を整えるために、全面に艶消しクリアを薄く吹いて、塗装完了です。 

完成

 透明キャノピーと脚、ジェットノズルを取り付ければ機体は完成です。
 武装部品はミサイル、爆弾とランチャーが付属していますので、好みで取り付けると良いでしょう。
 自衛隊機ではまだ実機に武装が装備された写真が発表されていないので、今回は爆弾倉も閉じてしまい、武装部品はとりつけませんでした。
 出来上がるとスタイルにも破綻なく、かっこいいステルス機F-35Aが、ほぼ2日で完成しました。

これで 完成!





 最近のプラモデルは3D-CAD設計の導入で部品の合いも良く、スタイルにも破綻が無いのは当然のこととなっています。
 このキットはそこに加えて、各部品が適確に4色で成型されていて、大判デカールも付属し、塗装をせずとも、ある程度の完成度が得られます。これは普段塗装をしない一般カスタマーにはありがたいはずで、飛行機プラモデルの一つの進化形を見たような気がします。 
 飛行機モデルでも こういう簡単色プラモデルやFtoys72シリーズのような彩色済みプラモデルが最近のトレンドの一つになりつつあります。

 プラモデルが進化する方向の一つとして、多色成型等による塗装の簡単化がありますが、国内の他飛行機プラモデルメーカーでも置いてけぼりにされないようにグレー1色プラスチックのプラモデルから脱するべきでは と感じさせられました。




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Vol.117  2018 May.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
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