Home  >  ノースロップF-20タイガーシャーク(ハセガワ 1/72)<飛行機プラモデル製作<2018年5月号

特集 定番キットを作ろう

   ノースロップF-20タイガーシャーク
(ハセガワB帯 1/72 初版1986年5月)

  by 出戻 十三浪  Demodori Tomio




 キットは32年前の今月、定価600円(消費税の前)で発売されました。小生は、約30年前、今は亡き「カメラのさくらや 新宿店」で420円で買いました。今でも900円(税抜き)で買うことが出来ます。
 シャープなモールド、繊細な筋彫、燃タン3本、ミサイル2発、空のパイロン2つ、キャノピー・エアブレーキ・空中受油管が開閉選択で乗降用梯子付とサービス満点。ただし、デカールは1種(今も)、細部はHUDもピトー管も省略というのはマニア的には寂しく、勘合も今二つ。

A.製作のポイント

1.操縦席周り
(1)HUDを表現。グレアシールドに裏を銀、表を透明赤で塗ったレンズを埋め、極薄透明プラで反射板を付けた。
(2)人形はパイロットセットより。

(3)椅子の後はゴチャゴチャしてるが配電盤だけジャンクで表現。キャノピーは素直に開けた方が健全。開閉アームの部品は裏から半分ぐらいに薄く削ってからアーム部だけ残しスケルトン化すると吉(実機とは違うが)。




2.胴体
(1)垂直尾翼基部のインテークを開ける。左右を合わせる前に裏側からカミソリ鋸で溝を入れカッターやヤスリで拡げてやる。仮組したら、サフを塗って左右の削れ具合の差を見て修正。
(2)F-104の増槽からABパイプを作り、F-4のノズルからABリング部を切り出して接着。これを底を抜いたF-20ノズルの裏に接着。これが嵌るように、胴体後端に穴を開けておく。

(3)仮組すると平たい胴体後部底に事後変形による段差が現れる。ランナーを適当な長さに切り内部に縦に入れて突っ張り、潰れた胴体を拡げてやる。適当な長さが決まったら瞬着で固めていく。合わせに邪魔になったら余分をリューターで削る。
(4)機関砲身は削り取って穴を開け、真鍮パイプを植える。
(5)アンテナは一旦、切り取って胴体の合わせ目修正をした方がよい。
(6)合わせ目付近の筋彫は部品の内に彫増しておく。


3.翼
(1)灯火の透明化。穴を開けて伸ばし透明ランナーを接着(垂直尾翼の灯火は後で四角いマスクをして塗装)し、整形、磨く。

(2)胴体に接着したら隙間が空いたのでプラ板を差し込んで接着・整形。接着の前に胴体と翼側をマスコルで養生して筋彫を守る。
(3)翼端のランチャーは折れ易いから厚紙でカバー。




4.武装
 多機能FCSを積んで全天候・多任務化されたことを兵装で表現。
(1)スパローはイタレリ兵装セット。実際は青灰。ランチャーは1/48F-16部品から切り出して整形、パイロンに接着。
(2)ハープーンはH社兵装セット。プラパイプでノズルを表現。胴体パイロンから増槽を切り落として接着。

(3)サイドワインダーは付属部品。これは白も青灰色もある。
(1)~(3)ともH社兵装セットのデカールを貼っている。




5.細部
(1)脚周りはブレーキパイプを再現
(2)ピトー管、全温度センサー?を自作。0.3㎜プラ板の細切りに0.3㎜の金属線を接着。

(3)風防・キャノピーを仮接着してから胴体の位置決めを行う。また、透明なままだと合わせがわかり難いので仮塗りして見るべき。


B.塗装のポイント

 クレオスの緑マスキングゾルは時間が経つと縮んで剥がれて来るので要注意。

 水平尾翼まで接着してから、
(1)灯火をマスクしておく。
(2)風防は塗装前に接着し養生の上、サフを塗ってサンペ掛けで隙間を消した。キャノピーと合わせて通販のマスクでマスキングした。キャノピーの前枠部には1㎜のマスキングテープを捨て貼りしてからマスクを貼ると良い。
(3)艶消し黒を風防・キャノピー・垂直尾翼基部・同前縁に吹く。垂直尾翼基部・同前縁をマスク。
(4)レドームに明灰白色を吹き、マスク。
(5)機首上面に防眩の艶消し青灰色を吹く。機首先側は丸いのでテンプレートでマスキングテープに楕円を書き切り抜いてマスク。風防側は下枠だけが防眩色。
(6)胴体尾部に銀を吹き、マスク。ノズルは焼鉄色と黒鉄色で塗り分ける。ホントは透明青・緑・橙で焼け表現をするとよい。
(7)灰サフと白サフを混ぜたものを全体に吹く。
(8)ほぼ白の灰色を全体に吹く。機体裏をマスクする。インテーク内も忘れずに。
 上面色との境はボケている。マスキングテープの長尺方向の片側を2,3回折りそこを2,3㎜の幅になるように切り捨ててから上面色との境に貼ってやる。翼増槽も忘れずに。
(9)上面色はくすんだ明るい水色のイメージだが、指定色は明るい灰色である。で、イメージに引き摺られて調色、塗装したらはっきりした青灰色になってしまった。エアブラシ塗装の時にはボカシ部の外側から吹くように注意する。




(10)墨入れ、エナメル磨き。灯火のマスクはまだ外さずに磨く。小生の場合、黒原液を塗って暫く待ち、エナメルシンナーを付けたティッシュや綿棒で拭いて磨く。
(11)透明部のマスクを剥がし、コーティングポリマーとモデリングワックスで処理して透明度を上げた。

C.最終組み立て

 人形、ノズル、、拘束フック、前脚、機首下アンテナ、全温度センサー×2、エアブレーキ(作動稈を加えると良い)、ハープーン、主脚、同作動稈、脚扉(動翼の作動稈バルジが突っ掛かってシックリしないが)、翼増槽、スパロー+パイロン、引っ繰り返してピトー管、背中アンテナの順で接着した。キャノピーは乗せただけ。
 脚以外の力の掛からない部品の接着は、透明合成ゴム系+樹脂入り+溶剤系接着剤のカクテルを使用。直ぐに着くので便利。
 実際の制作は失敗と手戻りと養生の地獄廻りで非常に辛かったが(塗装(3)(6)から1ヶ月、デカールの取り寄せまで!)、”完成すればみな美しい”ですわ。



 最後に同じF-5改造、同じF404エンジンのX-29と並べてサヨウナラ!






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