プラモデルのフロートも難アリだ。細すぎる。実機のフロートにうつる影や台車を置く位置の表示線などがどう見えているかをちゃんと検討すれば、もっと太いと分る。フロートは私のいきつけの模型店「ワールドホビーショップはせがわ」の店主が写真を頼りに木で型を作ってレジンで複製、差替えパーツとして売ったことがあった。幅広で丸々としており、特に主フロートの後半は全然違う形だった。その後に本に図面がでたが、“ほぼピタリ”という、素晴らしい技だった。まあ、私も二式水戦の写真をボ~と見ていた一人なので、偉そうなことはいえない。 もうちょっと書く。資料は『世界の傑作機』スペシャルエディション6「零式艦上戦闘機」(文林堂、平成24年)だけにする。
p.45に「初期生産機のなかには翼端折りたたみ機構が残されているものもあった」とある。実機でも流用できるものは使うのが普通だろう。p.115下の飛行中写真の灰色機をみると、胴日の丸前の分割部と同様な筋が翼端にも見える。私は特別なシーリングの跡だろうと思っている。
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流用がダメな部分もある。水上機の操縦席へは、陸上機の反対側の右後方から登る。p.113上とp.114上の写真を見ると、日の丸の下にハシゴがかかっていて、その上の胴体に2本の手架けがある。このハシゴを架けるパーツと手架けは二式水戦ならではのもの。左側の同様な部品は実機に不要だと思うが、私は確認していない。右後方から登るならば、零戦ならば左翼の足元にある滑り止めも左翼側にないと思う。これも私は未確認。
二式水戦には、転倒した際の支えとなる保護支柱が後部風防内にない。それはそうだろう、転倒しても頭をおさえるのは水だから。零戦の場合、保護支柱の天井部分は不透明部になるが、支柱がない二式水戦は透明。でも、「何かある」ように見える写真もある。よって、私は断定しない。 |