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バイクプラモデルの製作

 ホンダRC30 (タミヤ 1/12)

  by KOZY商店

1.はじめに
 こんにちは。KOZY商店です。バイクプラモコーナー?今回でいちおう一段落です。トリを務めるのはやはりこのキットしかないでしょう。タミヤ1/12 RC30になります。実車に関しては超有名。単にRVF(HRCの純レース用車両)を公道用にグレードダウンしたモンキーモデルではなく、それどころか本家RVFですら喰ってしまうポテンシャルの高さこそがこの車両の本義であり、そのような出自を持つ市販バイクは過去に例が有りません。 バイクの世界では名車中の名車であるRC30も、模型の世界ではタミヤ1/12が唯一のプラモです。他にはミニカーが数点ほど・・・アイテム的にはそれほど数は多くはありません。しかし実車のカリズマ性を考えると1/12どころか1/6、あるいはポケール社や分冊百科の巨大スケールで出てきてもおかしくないアイテムといえるでしょう。

図1 完成図



2.キット内容
 ボックスアートです(図2)。タミヤオートバイシリーズNo.57でⒸ1988。実車登場とほぼ同時です。キット化にあたってタミヤさんでは1/1を資料として購入する気合の入れようで、将来的には1/6も期待したいところです。 初版発売時は定価¥1500、これは当時の同シリーズではかなり割高な価格設定でしたが、昨今のプラモ事情では相対的にお手頃になっています。またこのキットからバイクプラモの箱が大きくなり、以降の標準サイズとなりました。初出から約30年、一度もカタログ落ちしない人気の定番キットです。

図2 ボックスアート



 パーツ構成です(図3)。車体3色成型+クリアーパーツ。少ないパーツでスッキリ収まっており、基本的には従来のバイクキットを踏襲する内容です。新機軸の一つはスライド成形による透明カウルです。恐らくはモーターショーのスケルトン実車にヒントを得たのでしょう。極小ビスを留めるマイクロドライバーが付属するのもこの時代のプラモとしては斬新で、高級感の演出に一役買っています。
デカールです。RC30は基本トリコロールカラーの1パターンです。これを再現するため赤色のみデカールになっています。しかし曲面で貼り難いのに加え、本キットのデカールは質がイマイチ(下地が透ける)なのが有名で、上手く貼れずにアフターサービスのお世話になった人は多いでしょうか。対策としてはデカールを二重に貼る、先に貼ってから紺を塗るなどが提唱されていますが、単純な話、ぜひ改善して欲しいところです(図4)。

  図3 パーツ構成
図4 デカール   


3.製作
 はじめに外装です。ホンダ伝統のトリコロールカラー…と言いながらブルーが濃淡2色有り、実質は4色になります。赤の部分は前述のようにデカールでは難がありそうなので塗装で仕上げます。使用したのはすべてMrカラー。GX1クールホワイト、C79シャインレッド、C65インディーブルー、C322フタロシアニンブルーにしました。
というわけで、このトリコロール、超カッコいいんだけど実際塗るには「どうやって塗るんだろう?」です。ここはデカールの1/1とインスト側面図の149%コピーを取り、それを型紙にすればかなり正確なラインで塗り分けが出来ます。アッパーカウルとテールカウルの一部にもガイドの凸線がモールドされているのでそれも参考にします。塗り分けたら塗膜の段差を♯2000で軽く均し、いったんクリアーを吹いておきます(図5)。
 デカールの下処理です。赤は大まかに塗装で仕上げたので、境目の金ストライプやゼッケンベースの黒枠など必要部分を切り抜いて貼り付けます。ギリギリでカットするのでなく1㎜ほど残した方が貼り易いと思います。多少残してもC79と色調が近いので目立ちません。切り抜いた中央部分は案の定、カッティングマットのマス目が透けて見えます(図6)。


図5 外装の塗装

図6 デカール下処理


 デカールを貼ったら仕上げに、GXスーパークリアーⅢをコートし、細部を仕上げれば外装は終わりです。このデカールは良く密着してないとフチがめくれたり細かい気泡が出たりするので、はじめは何度か砂吹きして様子を見た方が良さそうです(図7)。 その他のパーツも塗ってしまいます(図8)。ここまで済んでしまえばほとんど完成で、3~4時間で組み立て完了。組み立て上の注意点としては、フロントのアンダーブラケッド(パーツ番号D7)のビス穴が少し小さいのでドリルで拡げた方が良いでしょうか。

図7 外装仕上げ

図8 塗り終えたパーツ


4.完成 
 完成したRC30(図9~図12)。うん、やはりRC30はカッチョええ・・・。ホンダ車といったらトリコロールです。ただしトリコはグラフィックのパターンニングが難しく、これはホンダさん自身でもかなり苦労しているようです。車体のデザインは見事で、この時代のホンダさんらしいストレートなカッコ良さではないでしょうか。

 キットの方は、全体的には良い出来です。デカールが改善されるとなお良いですが。
 手を入れた部分はブレーキディスクの開口と、フロントフォーク内側およびプロアーム裏側の肉抜き穴を埋めた程度です。
 それ以外の追加工作やアフターパーツは一切無し。正直な所、あちこち省略されている部分もあります。しかし下手な修正工作に手を出すよりも、外面塗装に注力し完成させる事の方を優先しました。塗装は淡い青のチョイスが悩みどころです。個人的にはC34スカイブルーよりC65インディーブルーの方が近いと思います。塗装が少々面倒でしたがなんとか納車にこぎつき、めでたしめでたし、です。


図9 完成図


図10 完成図



図11 完成図


図12 完成図



謝辞
 二年弱ほどの期間でしたが、お気楽バイクプラモの製作記にお付き合い頂きまして有難うございました。作品発表の機会を頂けました田口代表およびWebモデラーズ編集部に感謝申し上げます。ありがとうございました。
では次シリーズでお会いしましょう。ごきげんようっ。ヽ( ゚ω゚ )ノ


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