Home  > ハンター T.Mk.7 (マッチボックス 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2018年6月号

飛行機プラモデルの製作

 ハンター T.Mk.7 (マッチボックス 1/72)

  by 加藤 寛之




 ちょっと前に友人からいただいたキットで、以前から作ってみたかったもの。現代の精密で隙間なく組める製品とは別モノで、「まあ、こんな感じでどうでしょうか」「だいたいで造ってありますから、あとはご自由に」という楽しい製品。それを承知で作るのだから、不満なんて全然ない。  このキットは「新パーツ追加」とか「別箱」とかの現代的商品でないから、一つのキットで単座と複座を選んで作れる。素晴らしいサービスだ。もちろん今回は、個性タップリな並列複座の練習機タイプで組む。




 とりあえず胴体内部をタイヤブラックで塗る。プラモデルとして引き締るので、この色にした。実機とは関係ない。
 機首パーツは簡素化が極まっていて、コックピットパーツは壁と並列の椅子が一発で成形された1個だけ。機首内部の大きな隙間に錘を詰めて左右の機首パーツを接着して、組んでおく。ちなみに計器盤は前壁にデカールを貼ってオシマイなのだけれども、私はそれも省略した。飾るときに向こう側になるので、貼ってなくても見えないから。
 胴体後部側は、内部に組み込むものはないから、左右を接着するだけ。簡単でいい。風防後方に複座用のフェアリングを組み込み、接着剤でガチガチに固める。垂直尾翼は左胴に造り込まれているので、右胴との境目に隙間が生じる。想定程度なので、瞬間接着剤を3回流した。これで、うまい具合に埋まった。




  機首パーツと胴体後部側を合わせてみると、そのはめ合わせ部分がヘロヘロで、運河彫りとも称される筋彫りよりも太い隙間があく。これは凹凸構造をはめて平らにして接着、残った隙間は、削る>瞬間接着剤でカスを固める>削る>・・・を3回やれば、ほぼ解消する。
 主翼は左右別々の分割で、それが上下になった4パーツ構成。組み込むものはない。エアインテーク附近を灰色に塗って、接着面をちょっと調整して接着した。
後縁は上側のパーツに一体なのだけれども、薄くはないし、クタクタしている。下面パーツの動翼との境目には想定できる程度の隙間がある。ついでに翼面全体も、軽いヒケで出来ているかのようにペコペコしている。よって、後縁を薄くするだけでなく翼面全体を軽く平らに削って、ジェット機のようにしておく。下面の動翼との境目にはパテを詰め込み、溶剤ではみだしたパテをふき取ればちょうどよく凹むので、これでOK。下面だし、超大雑把で大丈夫。



 胴体と主翼の接着は、エアインターク部分をちゃんと接着するように気をつければ、まあまあいいか・・・程度に付けられる。その後に、胴体側と面が滑らかにつながるように削ればよい。水平尾翼も、翼面に浅くて広いヒケがある。主翼と同様に、軽く削れば解消する。
 ここで風防パーツをのせてみる。・・・ウ~ン、背部のフェアリングと面がつながらない。フェアリングが膨らみ過ぎているようだ。削ればいいだけのことなので、これも“まあ、いいか”くらいに削ってOKとする。




 さて、塗装。ほぼ単色で、白と黒がちょっと、というくらい。青一色なのはいいが、こういう単色は丁寧に塗る必要があるので、塗装嫌いの私は好きになれない。デカールがこれしか選択できないので、諦めて青で塗る。どんな青だろうかとは思ったが、在庫の色のなかにブルーエンジェルスの青が見つかったので、これで塗った。私の基準では、青ければ何でもいいのだ。塗ってみたら、もちろんOK!バッチリだ。白や黒はテキトウに。翼端灯も塗ってみたが、ちょっと翼端が厚すぎないか???・・・まあ、いいや。
 デカールだが、マッチボックスは古くても割れたりせずに使えることを経験で知っているし、今回も(それなりのレベルではあるが)実際に使えた。実に素晴らしいことだ。とはいえ、貼ったあとで周囲のフィルムで気になるところに地色を塗ってある。翼下のタンクの電光が1枚だけ「?」なのだが、絶対にバレないので貼ってある。
 最後に半光沢のスプレー(※「光沢」を持っていなかっただけ)をブ~~~と吹いて、ハイ出来上がり。塗装意欲が足りなくて、10日間もかかった。


 マッチボックスは、「精巧」とは棲んでいる世界が違う異次元商品で、特にジェット機にその傾向が濃い。縮尺模型というよりは、個性的な立体造形物として出来上がる。 ほかの製品では味わえない独特な味をもったキット。私、スキだな。



  Home>ハンター T.Mk.7 (マッチボックス 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2018年6月号

Vol.118 2018 June.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」
 

プラモデル模型製作記事

TOTAL PAGE