Home
> 十二試艦上戦闘機 A6M1 試作一号機 (ハセガワ 1/48)< 飛行機プラモデルの製作<2018年9月号
十二試艦上戦闘機 A6M1 試作一号機
(ハセガワ 1/48)
by
寿
2007年の年末に買ってしまった零戦15機種フルコンプリートセット。これには当時真っ新な新金型の四機種が入っておりまして、それに釣られて散財してしまったといういわく付きの一品です。オマケに小池先生の絵画が独立したシートとして同梱されていたりと、中々にサービス精神に溢れた商品だったりします。
しかしやっぱりというか、その後にふつーの独立した商品として販売されて店頭に並んでいるのを見るとなんとも複雑な気分になりますよ。そう言えばもう十年以上も前の話なんだね、早いもんじゃのう。買った当時は「一年以内に全部作ってやるゼ」って息巻いてたのになぁ。
今回の十二試はそのセット内の一機であります。いやーたまには試作機ってのもいいだろ、って軽~い気持ちで選んでしまったんですよ。思わぬ落とし穴が待っているとも知らずに。
インストにはオミットしてあった転倒時のパイロット頭部保護支柱(ヘッドレストになってる辺りだ)。
翼端灯まで塗って細部のリタッチをしていたとき、ふと見返してしまったのは小池先生の一号機の絵画であります(箱じゃないんでボックスアートじゃない)。しっかり画いて在るじゃないですか、保護支柱が。慌てて資料を引っ張り出し写真などをつぶさに見ると、少なくとも二号機には装備されてる。えっ、マジ?
じゃあ一号機はどうなのよ。手持ちの少ない資料じゃあどうにもよく分かんない。ネットの実機写真でも人物の陰になってたり見えないアングルだったりでどうにも判然としない有様です。 インスト通りに付いていなかったの?っていうか、試作機だからってこんな大事なモノ省くかなぁ。それに正確緻密な絵画で定評のある小池先生がポカミスするとも思えないし。となると・・・・
え~勘弁してよ、やめて~。
極初期段階では装備されてなかったんでしょうかね?でも二号機はキットでも再現出来るようになってんだから、不要部品として扱うのは問題あるでしょ、ハセガワさん。
キャノピーはもうこれ以上ないくらいがっちりと接着されております。さて、ど~してくれようか。
悩んだのは三秒ほど。無理矢理ひっぺがしましたよ、ええ力ずくで。
この時ほど自分の異様なほどにカタい接着を恨みんだこたぁないですね。なんでここまで、っって感じで。
こういう場合は大抵部品の方がメゲてしまうもんなのですが、いやぁ最近のパーツは弾力があるせいか頑丈だ。実に喜ばしい。簡易インジェクションキット辺りだとあっさり「キャノピー真っ二つ」って案件ですよ、コレ。
それ以外は組み立て塗装とも極めてスムース、パーツが少ないし組み上がりも綺麗なんで作業性も良好、カルトグラフのデカールも薄くていい発色てな感じで素敵です。いやー総じていいキットだよ、インストに罠さえなければ。
塗装は試作機ってことでセミグロスでキレイキレイに仕上げてみました。様々な試験にこき使われてる内あちこち汚れてくるでしょうけど、前線でブン回されて酷使される程じゃないと思ったので。
ペラはガイアカラーのスターブライトジュラルミン。随分昔に発売されたゼロ戦みどり色セットの中の一色です。濃い艶のアルミな発色がとっても偉そうでいい感じ。実際は当時の日本機に使われていたアルミ合金ってギンギラじゃなく、もっと白っぽい感触があるんですけどやっぱ一文字ペラってのは十二試のキモですからね。かっちょよさ優先、ってことで。
製作の詳細
(写真1)シートは軽め穴開けてみたりなんかして。普段ならこんなコトしないんだけど、なんちゅうかまぁ気分?くぼんだ部分は基本色より濃い色をぐりぐり塗る。これがシャドーになるわけですね。
(写真2) 側面もいっしょ。あー、この辺りはお気楽に出来て楽だ~
(写真3) 室内色を吹く。で、一気に組む。セメント塗りたくってテープで強引に貼り合わせた後、裏側から瞬間で補強。ついでに硬化スプレーも吹いて鬼のように固めちゃう。
(写真4) 翼も着ける。あ~隙間がすげー。プラ板詰めて、これも瞬間様のお世話に。
(写真5) キャノピーは接着面だけ黒く塗っときます。シルバリング対策ですね。で、これ以上ないくらい強力に貼っ着ける。もーこれでもかってくらいに。完成後に外れたりしちゃイヤですもんね。しかしそれが後々仇になろうとは・・・・
(写真6) バリバリ削って面出しが終わったところ。うーん。まぁこんなもんじゃろ
(写真7) タイヤとか脚とかペラとかいった、黒っぽい塗装や銀塗装ものは最初に黒で塗っとく。隠蔽力も上がるし、アラ隠しにもなるし、発色も良くなるしね。
(写真8) でたー、青竹色。シルバーの上にクリアーブルーを吹いて表現。これが一番手っ取り早くて色目もいいのよ。ペラの銀色もついでに吹いておく。
(写真9) スミ入れでゴザル。今回は基本塗装もエアブラシあ~んどセミグロスでのキレイキレイ仕様でいくため、普段よりずっと大人しくしてます。でもクラブ内ではキレイキレイ仕様の方がウェザリング仕様よりも評判が良いってのは釈然とせんなぁ~。まぁワタクシ寿めの塗装技術がまだまだってことなんだろうけど。
(写真10)「完成!」と思ったのもつかの間、コクピットに転倒時の頭部保護支柱が必要なことが発覚。なんでこの段階で気付いちゃうかな~。もっと早く、もしくは全く気付かなければ平和にコトを終えることが出来たのに。
キャノピーの接着面にデザインナイフで切れ込み入れて力任せにはぎ取ってみる。みしみしと軋む音がいや~んな感じ。それでもなんとか分離成功。やったー、割と丈夫なのね最近のプラモって。やべー、やべー。冷や汗かいちゃったよ。
(写真11) で、ようやく完成。長かったよ、今回は。精神的に。
写真12) これが噂のフルコンプリートキットの全貌。見よ、この巨大な姿を。今日も背後から無言のプレッシャーを発散し続けてるぞ。(作れ~、作れ~ってオーラだ)
Home
> 十二試艦上戦闘機 A6M1 試作一号機 (ハセガワ 1/48)< 飛行機プラモデルの製作<2018年9月号
Vol.121 2018 September. www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず リンクフリー
「webモデラーズ について」
「広告のご出稿について」
プラモデル模型製作特集1
TOTAL PAGE