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2019年1月

プラモデルに関する新刊やDVDをピックアップして 内容のレビューをリポートするコーナーです。
(by webmodelers編集部 田口博通)


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Book

 航空情報 2019年2月号


① 航空情報 2019年2月号 
② せきれい社(SEKIREISYA)航空情報(AIREVIEW)
③ 本体価格 1.296円 (税抜き)
④ 特集
   ・E2-D & RQ-4
⑤ せきれい社(SEKIREISYA)  

 航空情報2月号は、かなり読み応えがある。
編集方針が収斂してきた感じだ。

特集「日本の新たな早期警戒機&偵察機」は15ページの専門記事が組まれていて、プラモデラーにも是非 一読をお奨めしたい。
平成31年度に無人偵察機RQ-4グローバルホークが自衛隊に導入されるが、主要装備 E-767,E-2Dと合わせて 詳しく紹介されている。
E-2Dが目指す日米共同交戦能力がどんなものかを知るにも良い資料だろう。自衛隊はE-2Dの運用により、米海軍イージス艦とのミサイル防衛の連携が可能になるのである。

 また、毛色の変わった記事として、東大航空宇宙学専攻の鈴木教授寄稿の「空飛ぶクルマ実現の技術的課題」がある。一見夢のような空飛ぶクルマではあるが、ドローンを大型化したような有人のマルチコプターの実用化には「型式証明という安全認証」や「低高度の航空管制」という大きな課題があることを理解することができる。
 最近の世界的な有人ヘリの有視界飛行の最大の危険性は 小型無人ドローンとのニアミスや衝突なのだそうである。テロリストによる悪意を持ったドローンの飛行だけでなく、配送業者の低空を無線と自律飛行で飛ぶ無視界飛行ドローンの実用化が進むと 低空は無視界飛行ドローンだらけになる。 それを避けながら有人ヘリが飛行しなければならないことになると、万一衝突し、大きな有人ヘリが都市部に墜落すると大惨事になる。極めて危険な時代がすぐそこまで来ているのである。
 さて、記事にはないが、一番の課題はドクターヘリの安全確保である。ドクターヘリは救急車と同じ扱いで、緊急を要するものなので航路は決まっておらず、自由に飛行して良いと定められており、確実に無視界飛行ドローン側が避けるシステムが必要となる。このシステムを構築するには高い技術が必須なのだ。
プロジェクト・オブ・スカンクワークス〈THE PROJECTS OF SKUNK WORKS〉 (ロッキード・マーチンADP [先進開発プログラム] の75年)


① プロジェクト・オブ・スカンクワークス〈THE PROJECTS OF SKUNK WORKS〉 (ロッキード・マーチンADP [先進開発プログラム] の75年)
② イカロス出版
③ 本体価格 4,300円 (税抜き)
④ スティーブ・ペイス (著), 石川 潤一 (翻訳)
  大型本 253ページ
  2018/11/8発行
 
 プラモデラーに是非ご一読をお奨めしたい「とんでも本」である。
あのスカンクワークスの歴史と内容が、実機や計画機の写真と共に、1940年代から、2030年まで書かれているという大変な本なのである。全くSFに感じるが これが現実の一端なのだと、かいまみることができる。
F-117で明らかなように、スカンクワークスで開発されてきた想像を絶する秘匿されてきた過去の技術と近未来適用される技術を思うと空恐ろしい。この本に書かれていることは、これでも機密では無い当たり障りの無い内容だけなのだ。
 F-117退役後、おそらくそれに替わるステルス機が秘密裏に実戦配備されているだろうし、それを我々一般人が知ることができるのは、その機が退役する時なのである。
 毎日読んでも 1年以上しっかりと楽しめそう。250ページの文量と、写真を考えると、その価格も相応だろう。とにかく、ロッキードとケリー・ジョンソンのファンには特にお奨めする。


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Vol.125.  2019 January.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

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