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誌上個展

<日本航空史> P-2Jはちょっとカッコ良かった

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム



 胴体が長くてちょっとカッコ良かったが、要するにネプチューンの改良型だから古臭い気がして、現役当時にちゃんと見なかった。だが1971年から部隊装備が始まったというのだから、私が入間基地で見たときはわりと新鋭機だったことになる。 哨戒機は搭載する機材が大事なのであって、搭載能力や居住性、航続性能などを満たしていれば、機体そのものは必ずしも最新鋭である必要はない、なんてことは当時の私が知っているはずもなかった。



 性能向上のために翼下に補助ジェットエンジンを装備していることは前身のネプチューンでも同じだったが、ネプチューンではレシプロエンジン用の燃料で補助ジェットエンジンも動かしていたらしい。巨大なハイパワーエンジン用のレシプロ燃料でオクタン価の高さを必要としないガスタービンエンジンを動かすのももったいない話。燃料タンクを分けないで済むのはいいとしても、ガソリンスタンドでいえば、灯油でいいのにハイオクを入れるようなもの。 時代としても巨大なレシプロエンジンは過去のものだったので、P-2Jのターボプロップ化は当然だった。ところが主エンジンはターボプロップなのにナセルが壁のように大きくて、「YS-11みたいにすればいいのに」と思ったものだ。P-2Jを開発した川崎ではそのつもりだったようだが、防衛庁がダクトを翼の下へ通すように求めたのだという。



 ちょっと脱線するが、ハセガワがネプチューンのキットを発売したときに、何でカッコいいP-2Jじゃないのか、と思った記憶がある。考えてみれば、P-2Jでは海外市場で売れない。「プラモ・ガイド」1970年版に長谷川製作所訪問記事があり、そこでは国内市場の大切さに言及したうえで「当社としてはその逆からいっている」としている。当時のフロッグとの提携からいっても、ネプチューンの選択で当然だったのだろう。 もうひとつ脱線すると、ネプチューンは飛龍の印象に似ていると何かに書いてあった。P-2Jはネプチューンではないけれども、各務原の博物館で久しぶりにP-2Jを見たとき「飛龍ってこんな感じなのか」と思った。
 カラー写真は、ずっと前の入間基地航空祭で私が撮った1枚。古臭い気がしてちゃんと見なかったのが、これ。
モノクロは、数年前に入手したもの。


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