航空情報 2019年5月号
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航空情報5月号の民間航空はスクート航空 シンガポールーアテネ路線のボーイング787の搭乗体験記が紹介されている。最近はLCCといっても華やか。一度でいいから、エコノミーでなくスクートビズに乗ってみたいものだ。いつも民間航空から読み始める理由は、心が温かくなるから。やはりソフト面の充実が魅力だからだろうか。
軍事メーカーの「儲かれば何でもよい野心」とハードウエア記事中心の殺伐感を如実に感じる軍事航空とはちょっと違いますよね。
さて、民間航空の幸福感とは対照的な軍事航空の世界だが、冒頭は「ロシアのステルス戦闘機Su-57の兵装を予想する」が掲載されている。搭載可能性のある既存兵装について列挙されていて、それなりに読み応えがあるが、内容はFACTではなく、あくまでライターさんの予想記事ですから 読者の皆様にはお間違いなく。
特集の「米中航空戦力比較」の中では 元防衛大臣 森本敏氏の寄稿文と、元統合幕僚長 岩崎茂氏のインタビューに注目。現実を見据えた専門家の発言はさすがに重みがあり、是非の一読をお勧めしたい。
特に森本氏の「日本企業が米国の法体系や政策を理解せずに、ZTEやファーウェイや関連企業との情報通信技術面での協業・取引を進めることは慎重にすることが望まれる」との警鐘には注目すべきであろう。
また、森本氏は「中国人の学生・研究者が米国に留学できる可能性は低い状況になってきている。中国がこの点を補足しようとして、日本から技術や情報を入手しようとする可能性があるので注意する必要がある」とも警告している。
昨今の新聞記事では「5G通信技術をめぐる米中の覇権争いだ」と、表面にかいま見られる現象のみをとりあげたセンセーショナルな記事(新聞も商業誌ですから)にすぎないので、何が実際に起きているのか報道されるには至らない。
やはり、「航空情報」誌のような専門誌の役割は このような情勢を正確に読者に伝えることにあるのだろう。
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